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基礎代謝 = 魂が呼吸するために最低限必要な心の活動

主観的感想

記憶は愛より悲しいもの

『傷だらけのふたり』 2013年の韓国映画を観た。本当に泣ける映画というのはこういう映画のことを言うのだろう。ベタな展開だなと思いながら観て、それなのに最後は見事に泣かされてしまった。主演のファン・ジョンミンが素晴らしかった。お涙頂戴で、さあコ…

顔のない人間

『絶対の愛』 2006年のキム・ギドク監督作品を観た。冒頭は、整形がもてはやされる外見至上主義に警鐘を鳴らすような内容なのかと思ったけれど、流石に数段奥が深かった。 顔を変え、名前を変えたら、元の人間性をよく知っていたとしても、その人がその人だ…

白さの果てにあるもの

『すべての、白いものたちの』 ハン・ガン著 読了した。 白いものたちを一つずつ連ねて、丁寧に丁寧に編んだ、ネックレスのような作品。読み進めるうちに、白さが一枚ずつ増していき、やがて世界中の「黒」が「白」に反転してしまったような錯覚に陥った。 …

地球上の常識を痛烈に笑い飛ばす

『美しき緑の星』 この映画はもう何回か観た。1996年、コリーヌ・セロー監督・主演のフランス映画。長い間発禁になっていて、ネットに上がってもすぐに消されてしまったらしい、いわく付きの作品。今はDVDも売っているらしくて、びっくり。 物質文明をはるか…

研ぎ澄まされた緊張が解き放たれる瞬間

『弓』 キム・ギドク監督の2005年の映画を観た。 舞台である大海原をたゆたう船と同じく、夢幻の中をたゆたうように、物語は独特のテンポで進む。原色の散りばめられた背景。極彩色の仏画──。老人と少女は、世界と隔絶された一艘の船の上で生きている。そこ…

陽光と交わる花

『菜食主義者』 ハン・ガン著 読了した。アマゾンのカートに入れっぱなしにして三ヶ月ほど、ようやく勇気を出した。以前にも少し触れたけれど、この作品を映画化した『花を宿す女』を先に見て大変な衝撃を受けていたので、強く揺さぶられるのが怖くてなかな…

罪を赦されるということ

『一房の葡萄』という有島武郎の短編が好きだった。何百回と読んだので子供の頃はほとんど暗唱できるほどだった。赦されるという体験を求めて、私は何度でもその本を読んだ。 絵の好きな少年は、港に停泊している外国の艦船の絵を描きたかったけれど、舶来の…

圧倒的な存在感と、強さと儚さのコントラスト

韓国ドラマ『ミスティ』 視聴終了した。職業人としてのドラマであり、情愛のドラマであり、良質のミステリーでもあり、社会悪と戦う内容もあり、その全てが食い合うこともなく、分散して焦点がぼやけることもなく成り立っている、稀有なドラマだった。 野望…

決して怒らない男

『愛してる、愛してない』 2011年の韓国映画を観た。ヒョンビン、イム・スジョン主演。ベルリン国際映画祭にも出品された作品だそう。 「あなたは生まれつき怒らない人なのか、怒っていてもそれを我慢できる人なのか」と女は問う。「怒ったとしても、何も変…

照れと 信頼と 深い愛に満ちた顔

『ポラロイドに託す想い』という一時間の単発ドラマを観た。配信していたのをたまたま見つけ、観てみたら期待以上に素晴らしくて。 余命幾ばくもない、離婚した妻のポラロイドカメラを手にした夫。シャッターを切ると過去へとタイムスリップし、時を跨いで妻…

大切なものに接するのが怖い

とても久しぶりに聴いた キリンジ『エイリアンズ』 YouTube 異次元にあるもう一つの地球にワープしてその星の上でふたりきり 近未来のざらっとした粒子の粗い空気ダークチョコレートのほろ苦さ コンクリートに打ち捨てられたタバコの吸殻や 吐き捨てられたガ…

世界の最後の黄昏

スペインに行った時他の国では感じたことのない色彩を感じた 深い悲しみを帯びたように すべての影が特別に色濃いその場所でかつて流された血の総量が抜きんでて多いかのようなそれはフラメンコや闘牛といった文化の持つ色合いとも連なるものに感じられた 降…

植物として生きる

最近、韓国映画「花を宿す女」を観て衝撃を受けた。韓国を代表する女流作家ハン・ガンの「菜食主義者」が原作で、あまりに衝撃的だったので原作を読みたくなったものの一方で読むのがとても怖く、アマゾンのカートに入ったきり。 ごく普通に生きていた女性が…


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