SITE MÉTÉORIQUE

Le Dépôt de Météorites

意味づけという驕り

いろいろなことがタイミング良く、あるいは悪く、重なって起こることがよくある。この物事の重複がなにか深い意義を持っていて、起こるべくして起こっているのだと御大層に考えることはしたくない。そういう驕りは大嫌いだ。 事柄と事柄を安易に無遠慮に結び…

語学嫌い

外国語を学ぶために教室に通っている。初めての日に少し緊張して教室に向かうと、既に授業は始まっていて、内容もかなり先にまで進んでしまっている。私は右も左も分からないまま、萎縮して席についている。教師に指名され、答えを求められるけれど、全く解…

ミントグリーンの劣等感

中学生の時、たった一度だけ盗みを働いたことがある。盗みと言っても大したことではなく、教室の後ろのロッカーの辺りに誰かが置き忘れた、小さなハンドクリームの容器を持って帰ってきてしまっただけのこと。可愛いミントグリーンの詰替え用のクリームケー…

横這い

何でも早く早く、変化に次ぐ変化で、目まぐるしくなった世の中で、流されていることさえ気づかずに流されてしまう。必ずしも必要のないアップデートに、世間に遅れてはならないという一心だけで、必死に喰らいついていたりする。全く必要のない努力に、全く…

分断とエネルギーバンパイア

自分たちは真実を知っていて目覚めている、他の人達は洗脳され何もわからずにいる。だから自分たちは優れていて、他の人達を啓蒙しなければならない……そう考える人達は昨今意外と多い気がする。一つの宗教の一つの宗派を信じ、それが唯一救われる道だと信じ…

副反応

母が5回目のコロナワクチン接種後、帯状疱疹を発症してしまった。何となくだけれど嫌な予感のようなものがあり、今回のワクチンは打たなくてもいいんじゃない?と母に言おうとしたけれど、既に予約をしてしまった後だったし、母の真面目な性格から言っても…

人の目に神を見る

人の目を見て話しなさいと、注意する声。幼い時から今に至るまで、人の目を見るのがとても苦手で、耳が痛くなる。知らない人の目を見るのも怖いし、知っているけど親しくない人も場合も、どうしても、変に意識しないと自然に見られない気がする。緊張しない…

保護猫の眼差し

隣接するI市の警察署に猫が沢山保護されていて、引き取り手を探しているというのを聞いて、母と一緒に見に行ったことがあった。詳しくは知らないけれど、どこかの動物病院の前に10匹以上の猫が捨てられていたらしい。子猫もいるということで、もし縁があれ…

愛する人の中で生きる

ネルが虹の橋を渡ったその晩、寝付けずにぼんやりとしていた時、啓示のようにメッセージを受け取った。ネルが言っていた。わたしはこれからマミーの体の中に入って、マミーの人生を一緒に生きるんだよ。いつも一緒にいるんだよ。 テレビをつけたままにしてい…

戸籍謄本

父が亡くなったあと、相続手続きのために父の生まれてから現在まですべての戸籍が必要となって、初めて戸籍謄本というものをしみじみと見た。印字された謄本はここ十数年くらいで、それ以前は全部手書き。間違いが起こらないように「拾」とか「弐拾」とかの…

未知というキャパシティ

夢のなかで、今までに自分の脳内にあった過去の出来事がすべて本当だったのかどうか定かでなくなって、こんなことが本当にあったのか?なかったのか?何もかも自信がなくなってしまうことがよくある。過去の記憶として脳に保存されているデータが真実なのか…

「ありのまま」の定義

「ありのままの私」「あるがままの自分」とよく言うけれど、どういう意味なのか、定義するのは難しい。社会の価値観に合わせた、他人によく思われるための在り方から脱して、自分の価値観で生きるという文脈で使われる。社会的理想像の対極としての、自分軸…

宇宙人が見たW杯

宇宙人がもし地球に偵察に来ていたら、ボールを蹴っ飛ばして四角いゴールに入れて点を競い合うという遊びに世界中が熱狂し、巨額のお金が動くなんて、不思議で仕方ないんじゃないか。ミサイルが飛び交うような現代に、槍やハンマーをどれだけ遠くに投げるか…

便利さという悪魔

マイナンバーカードが事実上義務化になり、保険証まで廃止になるらしいと言われていて、なんだか面倒なことになりそうで嫌になる。マイナンバーカードを普及させることでデジタル化していますとアピールしたがっているように見えるけれど、カードを持つこと…

夢を書き替える

悲しい夢を見た後に、まだ完全に意識が戻ってこないうち、その続きのストーリーを創作してしまうといい。その悲しみや苦しみを雪ぐような物語に涙する。それが勝手な妄想だという非難の声はまだ届かない、淡い領域でたゆたう。 そうすると、何が夢で何が創作…

夢遊病シェルター

私が一人で歩いている様子を見た友達に、夢遊病のようだとよく言われた。ぼんやりとして心ここに在らずといった風に見えるそう。確かに、一人の時は外界との接続スイッチを切っているかもしれない。スイッチを切ると、他の人は世界にいないと同然になり、外…

未熟なバナナ

まだ熟していない青いバナナが好き。シュガースポットという黒い斑点が出てきた頃が一番美味しいという人が当然多いだろうけど、あのとろっとした、熟れ切ったもの独特の退廃した感じがあまり好みじゃない。青臭くて、まだ皮もすんなり剥けないくらいの、未…

母のハンドタオル

小学生の時、習字の授業が始まるので、道具を一式用意した。あと、筆を拭いたりする雑巾が必要だった。ちょうど良さそうな小さめのタオルが見つかった。黄色で、どこかの宝石店のロゴが入っていた記憶がある。ノベルティとして貰ったもののようだ。私は母に…

エンジェルナンバー44

子供の頃、ある夜更けにふと目覚めて、時計を見たら3時44分だった。そしてまた眠りに揺られて、もう一度目覚めたら4時44分。気味が悪くなったのをよく覚えている。よく通っていた病院で、窓口や部屋の番号に4が使われていないのは、死を連想させて縁起が悪…

言霊

言霊が大切とよく言われている。「疲れた」とばかり口にしていると余計に精神疲労を感じるようになると聞いたので、できるだけ疲れたと言わないようにしてみた。あっ、また言っちゃった。どれだけ疲れたと言っていたか気づくとともに、言わないようにしなく…

手を握れなかった

父の亡くなる前、最後に会ったのは、誤嚥性肺炎で緊急入院したM病院だった。それまで半年ほど、特別養護老人ホームに入っていたけれど、コロナ対応のため画面越しにしか会うことはできなかった。ホームから病院を受診すると連絡があったけれど、私自身も診…

香りのマジック

10月は、庭にある銀木犀の矮性種がたくさん花をつけ、ふわっと風とともに良い香りが室内に流れ込んでくる。この「自然の香り」に勝るものはないというのが自分としての結論で、3月は沈丁花、5月はダマスク系のオールドローズが香るようにと、それぞれ私…

小鳥の骸

家の庭によく小鳥が来ている。雀のような小さな鳥たちが庭木に止まり、よく戯れている。観察していると、蝶も様々な形態のが飛んでいる。黄色、瑠璃色、真っ白、黒っぽい模様のあるもの、大きさも大小様々。こんな猫の額のような庭でも、小さな自然の営みの…

同類意識

プレゼントをもらうのは誰しも嬉しいもの。だけど必要ないもの、むしろ嫌いなものをもらったら──「まとも」な人なら、それが苦手だなどと間違っても口にせず、ありがとう!これが欲しかったの!などと積極的に嘘さえつくかもしれない。私も、そのくらいのこ…

羨ましがられる条件

近くに住んでいるけれど疎遠になって久しい幼馴染が、私のことを「羨ましい」と語っていたと、人伝に聞いた。私が働きもせず、家にいて悠々自適の生活をしているから、みたい。すごく単純なことなのに、不意に盲点を突かれたような衝撃を感じた。 気力体力と…

妖怪人間

高校のとき、ちょっと変わった男子がクラスにいた。当時はそうは思っていなかったけれど、今思えば、トランスジェンダーっぽい感じ。男子にも女子にも誰彼ともなく話しかけ、どちらにも同性に接するように接していた。 圧倒的な圧で迫ってきて、弾丸のシャワ…

観察する私

昨年末頃から調子が悪くなり、年頭から一ヶ月ほど、精神科病棟に入院した。今回のうつ状態は人生で一番ひどかったかもしれない。 入院中、父の容態が悪化し、誤嚥性肺炎で亡くなった。葬儀にも出席しなかった。外出許可が取れないわけではなく、無理して頑張…

普通という押し付け

他人の領域に入り込んできて、親切を笠に着て、自分の良かれと思うやり方をゴリ押ししてくる人がとても苦手だ。他人なら適当に距離を取るけれど、親戚とか突き放せない相手では辛くなる。更に、相手はどこまでも親切でしているつもりなので、拒絶の仕方では…

お大事に

アトピー性皮膚炎が再発してしまった知人に会った時のことを、ふと思い出した。普段はほとんど完治してきれいな肌を取り戻していたけれど、最近過労が祟ったらしいと話していた。いつもばっちりとメイクしていたのにその日はノーメイクで、腕も露出できない…

エアポケット

不安障害、パニック障害、摂食障害、醜形障害、鬱……様々な心の問題を抱えてきた中で、摂食障害だけは完全に治ったと言えるし、再発しないと信じられる。これは本当にありがたいことで、炭水化物をしっかりと摂る食事療法で完治したと思う。世の中は糖質制限…

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