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《陰と陽》の復讐劇

内側にあって いつも容赦なく私をけなす声こそが 私の男性性だったのかもしれない

何かをしたいと思えば それに水を差すための理屈を並べる
自分を褒めれば それはただの甘やかしだと言う
価値を認めようとすれば 何を勘違いしているのだこの愚か者 と言うその声が


自らの男性性と女性性を統合しろってよく聞くけれど どうしたら良いのかわからなかった
そのけなす声を私は憎んでさえいた
それは自分の男性性を憎むということだったの?


それが外部へと写されて 男性一般への嫌悪感や恐怖につながって
父親への嫌悪感すらそこから来ているのかもしれない
何もかも始まりは自分だった 
それに気づくことを統合というのかもしれない


内側で自分を責め続ける声は エゴの声 あるいは
内在化してしまった集合意識の声だと思っていた
それを排除しようとしたり 見ないふりをして力を与えないようにしたり
慰めてみたり 許そうとしてみたり 愛そうとしてみたり
ありのままに受け入れようとしてみたり
様々な努力をしてきた そしてどれひとつ成功しなかった


そんな必要は初めからなかった
私の内部に私の男性性があって当然で 表の性が女性だからといって無くすことはできない
自分の一部であるそれを憎んでいたから 憎み返されたのだろう 
だから“彼”は私を執拗に非難し続けた

その復讐劇が 一つの個のなかで繰り返されていた
他者との関係性に それが鏡のように映っていただけだったんだろう


“彼”を戦う相手ではなく 自分自身の片側と認めてやることだけでいい
敵でも味方でもないのだと
陰陽のマークみたいに 混じり合うことなく 一つになって