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『メメント・モリ』の趣旨

死を意識してこそ、有限であることを意識してこそ、初めて本当の生命を生きることができる。
メメント・モリ】という言葉はそういう意味だと感じていた。


調べてみると、古代ローマでの【メメント・モリ】の趣旨は、 “いつ死ぬかわからないから、今を楽しもう” という意味だったけれど、キリスト教世界で、 “やがて死ぬのだから、贅沢も楽しみも虚しいものだ” という意味合いに変わっていったそう。


今を楽しむというのが、飲んだり食べたり、着飾ったり所有したり、刹那的な快楽を意味するのであれば、古代や中世ならいざ知らず、この豊穣の世の中ではやや時代錯誤なのかも。
やがて死ぬから今世はどうでもよく、来世に期待するという考え方はナンセンス。今の生き方如何で来世がどうなるかが変わってくるはず。


贅沢も楽しみも虚しい、それで得られるものの価値はたかが知れている。だったら何が大切なのか。
死んだら持っていけないものにこだわらず、手放し、今という位置に意識を置く。
今日と同じような明日がいつまでも在ると思わないことで、それが可能になるのだと思う。


今日が最後の一日だと思って生きること。
いま目の前にいるその人も、明日同じようにそこにいるとは限らないと意識すること。