父の穢れを 父にそのまま返す
私の中から膿を出すということ
膿は綺麗なものじゃないから 汚くて当たり前
汚いものに手を突っ込まなければ
綺麗事で良い人のふりをしていても 何も変わらない
穢れは父のものだから
暴力を振るう夫が振るわせる妻の方が悪いと主張するのと同じ思考回路で
すべて他人のせいにして自分を正当化しないと生きられない人
それは私自身も同じ
父のせいにして自分を正当化している
いくら外界には私の内面が映っているのだと言っても その内面を作ったのは父だし
父の内面を作ったのもそのまた両親だし
そうやって 穢れが遺伝していくのだ
まっさらに生まれてきた私たちは そうやって汚染されていく
両親が映っているだけで私はどこにも居ないのだし
そもそも私という存在は幻 ゲームの中のキャラクターなのだし
私が解決する問題なのだと抱え込むのは 間違っている
問題は 父に返してあげなければ
父が向かい合い取り組まなければいけなかった問題なのだから
そして問題は自分にはなかったということを 自分で気づかなければいけなかったのだから
それをせずに 私になすりつけるように遺伝させたのは父の罪なんだ
「歎異抄」にあるように
悪人だから救われる だめな人間だからなお
膿で汚れた手を見つめながら
清く正しく生きられないことを誇りに思おう
父を憐れみ自分を憐れむことでしか自分を救えないのなら
それでもいいのでは