いつまで経っても理想に手が届かない
どこまで走っても納得するものを得られない
自分の理想が肥大化した 内側の世界は
決して現実にはならない ただの夢想で
幻に踊らされていた滑稽な自分の姿を 直視しなければならないの？
どこにも逃げ場はなく
置かれた場所で 苦痛に耐えながら身を削り
思うままにならない 違和感だらけの現実と闘いながら
地に足をつけ 這いずり回って 悶え続けるしかないの？
耽美な夢想と 醜い現実 そのどちらかではない
両方で私の全体になる
どちらかを拒絶してはいけない
夢想を捨てなければならないのではない
現実に適応しなければいけないのでもない
現実を変えなければいけないのでもない
どちらかに片付こうとしないで
一歩引いて 世界の外に出て 両方を同時に俯瞰する
ふたつの分離した世界が 愛の眼差しで見つめられることで混じり合っていく
溶け合って どちらがどちらかわからなくなり
そして両方が消えるまで
理想像が必要なくなり 現実の苦痛も消えるまで
無となって初めて 私は全体となり ほんとうの私になる
