業を背負って 自意識と格闘し もがくことを糧とする
ひとかどの仕事のために 価値ある何かを創造するために
自らの人生を削り 火を燈す
文学や芸術に昇華させて 素晴らしい作品を生んだとしても
自分の苦悩を何度も反芻して分析して それにしがみついて執着して
芸術を生むことが 人として生きることより大事になってしまって
最後に耐えきれず 自殺なんかしてしまったとしたら
その人生は 成功なのか失敗なのか
どんな人生も失敗ではない けれど
そのような人生は 向こうの世界では落第点をもらうのではないかと思ったりする
魂を成熟させることだけが 私たちの使命 というより 生きがいであり
自己分析することは結局 壮大な自己満足
もちろん 落第点や自己満足が悪いことではなく
突き詰めれば どんな経験からも むしろ悪いとされる経験だからこそ
魂は磨かれるのだろう
この地球上にいる魂はみな 落第点を取ったのだろう
及第点を取ったなら 輪廻転生のサイクルを終了し 次へ進んで
この星には存在していないはず
それはどんな立派な肩書の どんなに優れた人物でも きっと同じ
死を希求する人は 本当は 死を望むというより
人として生まれることを終わりにしたいのだと思う
輪廻という宿命から解き放たれたいのだと思う
それには自身が納得できるだけの及第点を取るしかないんだ
文学や芸術というもののあり方も 大きく変化していくのではないかな
パラダイムシフトと呼ばれるような変化
カルマやエゴを超えた先にある風景
そういう私は 囚われ続けていないだろうか
他の人より 過去の自分より 優れていようと
比較していないだろうか