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恐れを買い占める

物資が足りなくなるのを恐れ、買い占めに走る。足りなくなって不自由するのは嫌だから、あたりまえの心理。市場に物が減ってしまうから、余計に不安になり、必要ないものまで買い込んだりする。

それと同様のことを、私達は、今までもずっとし続けてきたように思う。
財産を溜め込んで、少しでも多く増やそうとする。投資をし、不動産を買い、いくら増えるかの算段をする。市場の富は一定で、誰かが裕福になれば自分が貧しくなるような気がして、先行きが不安になる。生活を切り詰めて、無理をしてまで、少しでも貯蓄に回そうとする。
それらはすべて、足りなくなることを恐れているからする行動。物を買い占めようとするのと同じでは。
足りなくなることがないのなら、多くの人は際限なく溜め込もうとなどしないでしょう。


今の資本主義は、恐れで人々を支配するシステム。自分次第で豊かになれるという希望の仮面をつけた、恐れそのもの。他の人より足りているかどうかを常に比較され、人並み以上に持とうという希望を植え付けられる。常に消費を喚起され、これを持てば幸せになれますよと囁かれ続ける。挙句の果てに、経済を回すためには消費することが必要ですと言う。世界を救うためにあなたの消費が必要です、と。
足りないという恐れさえなくなってしまったら、これらのすべてが全く成り立たないという、なんと単純なこと。だから支配者層は、私達を恐れさせておかなければいけない。

その構造が見えたら、恐れ続けるかどうか、自分で選択できるようになる。もっとも悲しいのは、半ばそれが見えているのに、それでも自分から恐れのなかに頭を突っ込んで生きること。