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モルダバイトのピアス

モルダバイトのピアスを買った。かなり大きな丸いモルダバイトのまわりに、透明な小さな石が散りばめられている、太陽か、ひまわりを思わせるような形。深いグリーンが稀に見る美しい色だった。20万と端数という結構な値段にもかかわらず、私は何故か購入を即決した。


帰ってきて、鏡の前でそれをつけてみる。ものすごい存在感で、悪目立ちすること半端ではない。角度を少し変えてみたり、付け方を工夫するも、どうにも滑稽にしかならない。これが似合うのはマツコ・デラックスくらいだろう、というようなゴージャスなそのピアス。そばに寄るものを皆、ピエロのように滑稽にしてしまう。
一気に熱が冷め、沸騰していたお湯がいきなり氷になったよう。こんなものはさっさと売ってしまおう。オークションに出すのが良いか、どうしたら良いか、目まぐるしく計算する。結局また無駄なことをして、時間とお金を棒に振っている。


嫌になって二階の自室に上がっていくと、部屋中にハンガーラックが並び、買ったもののほとんど着ていない服ばかりが列をなしていた。これらも売ってしまうしかないか。でも売れるだろうか。いや売れやしないだろう。
さらに嫌になって階段を降りると、途中で頬にひやっとするものを感じた。気のせいかと思ったが、もう一度階段を上がると、途中で確かにまた水滴が落ちてきた。昨夜の大嵐で、屋根が破損してしまったのだろうか。泣きっ面に雨漏り。