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目標を持たない

目標を持ってそれを達成し、また次の目標を掲げる。高すぎる目標でなく、今できる少しだけ先にあるものを目指し、一歩ずつ進んでいけば、やがて大きな山にも登ることができる。
人はよくそう言うけれど、肌感覚で納得できない多くのことと同じように、これも私には馴染まない考え方だった。そんな自分を、地に足をつけて一歩ずつ、弛まぬ歩みを進めることのできない、出来損ないだと認めていた。


目標を設定できない。何が自分の目標なのかわからない。何を設定したら良いのかわからない。設定してみても、すぐに自分のほうが変化してしまうので、当初の目標が途端に色褪せて見えてくる。
潮に流されて、どこに向かっているかわからなくなる。完全に道を見失い、途方に暮れる。そうして初めて、潮の流れこそ、私の行き先を指し示すものだということを少しずつ信頼できるようになってきたような気がする。自らの狭い視野で設定する目標よりも、世界を包む大きな知性が、私を動かしている。


折に触れて感じる、身を刺すような違和感を、苦痛に思っていた。でも、違和感こそが自分の形を教えてくれていた。何に染まることが耐えられないのか、それを見つめ、知り、除外していくことが、一本の木の中から彫像を彫り出すように、自らを「彫り」当てるための道なのだ。