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白い皿を食べる

真っ白で平たい皿が、欠けているのに気づく。装飾を削ぎ落としたシンプルな皿のエッジには、三センチほどの欠けた部分があり、傷口は刃先のように鋭利だった。皿に感情があるとすれば、たしかにそれは、憤りが限界を超えたために出来た噴火口のようだった。

同じ皿がもう一枚あって、それにはかつて何らかの料理が乗っていた痕跡があった。料理を私が食べたのか、誰が食べたのか、記憶にない。何らかのソースが付いたままのその皿を手にとって、パンケーキにかぶりつくように、がりりと噛みついた。確かな陶器の感触だったけれど、皿は簡単に噛みちぎることができた。じょりじょりじょりと音を立てて、私の左右の奥歯によって細かく砕かれた。まさに砂を噛むというような味わい。ごくりと飲み込んだ。細かくなった陶器の破片は、やすりのように喉と食道の内壁をこすりながら、緩やかに体の内部へと落ちていった。その熱いような冷たいような感触は、あまりにも生々しかった。目が醒めてからも、胃に皿の破片が入っているような変な異物感が、うっすらと残っていた。