苦しみの連鎖だけが 人生だったように思えても
その過去の延長上に 今があるのではない
苦しみは人から植え付けられたもので 私のものじゃない
地球上に漂う誰かの落とし物 遺失物を生きてきた
幾つかの明るく美しい思い出を除いては
他人の持ち物 他人の人生を生きてきた
他人の人生の上に今があるのではない 真新しい今がここにあるだけ
親の苦しみは そのまた親から植え付けられたもの
誰のものでもなく ただ誰かの落とし物であるだけ
そこにある苦しみを敏感に拾い集めて 片付ける必要はもうない
私は私のもとにある苦しみを 無造作に 誰かに向けて放り出さないようにしたい
誰かになすりつけて 楽になろうとしたくない
それは何の解決にもなっていないことに いつも気づいていたい