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隕石の堆積場

黄色い水玉模様の水晶

大切にしている水晶玉がある。手のひらに収まるくらいの大きさで、ほぼ透明なクリスタルだけれど、ところどころ黄色い水玉模様のようになっていて、シトリンが混じっているようだなと思った。内部には白く濁ったインクルージョンがたくさんあり、不透明な部分が多い。握るとちょうど誂えたように自分の手に馴染み、体の一部のように感じる瞬間さえある。

私はその玉を肌身離さず、バッグに入れて持ち歩いていた。繁華街、かつてCプラザという建物があった付近の路地で、その水晶玉をバッグから出して手にとった。
なぜか玉は少しだけ弾力があって、ゴムの玉のような感触があった。薄暗い路地で、黄色い水玉模様もくすんで映った。石の元気がないみたいだ。なぜだろう。触っていると、ますます水晶玉はブヨブヨとしてきた。内部の濁っていた部分がだんだん透明になってきて、氷が溶けてきたみたいに思えた。

水晶玉は、プツンという聞き取れないほどの小さな音を立てて、崩壊した。水風船が割れたみたいに、中の水が溢れそうになった。私は慌てて手のひらでそれを掬うように受け止めた。
よく見ると、黄色い水玉の部分も小さな水風船でできていて、外の大きな水風船に幾つもの黄色い水風船が内包されている形だった。黄色い水風船は破裂はせず、中の水はいつの間にか自然に排出されて、小さくしぼんでいた。黄色い風船の一つには、黒いマジックインキで見知らぬ名前が書かれている。子供の書いた字のように見えた。どこかの小学校から盗まれたものみたいに。

高次のエネルギーを媒介する交信機のようにすら感じ、信頼し愛していた水晶玉が、とたんに胡散臭いものだったように感じられ、激しく戸惑う。その石に裏切られたというよりは、自分自身に裏切られたような心持ち。体幹が冷たく痺れるような感覚。