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深夜の壁掛け時計とブルーベリー

突然、母に起こされる。3時半だよ! 遠慮のない大声に目が醒める。幼い子供のような、思慮の痕跡が全く感じられない率直な声だった。母からそんな声が聞かれることは初めてのような気がした。
深夜の3時半。外界は静かな闇に覆われている。引き替えに部屋の中は、母の賑やか過ぎる振る舞いで、いつものLEDライトの光量が二割増しに感じられた。
冬の夜中に窓をガラガラと開け、縁側へと出て、なぜか母は爪を切り始めた。突然ケタケタと笑い出す。正気を失ってしまったとしか思えない。私は表情を失ったままで凍りつき、母の様子をただ見つめていることしかできなかった。

壁の時計を見る。本当に3時30分を指しているだろうか。これはきっと現実ではないだろう。
時計の針は確かに3時30分を示す角度にあった。しかし、1から3までの数字だけが忽然と消えていた。4から12までの数字を見つめているうち、緑色の縁取りのある見慣れた壁掛け時計は、ぐにゃりと形を歪めていき、すべての角度も意味を失っていった。

庭にはブルーベリーの木があった。人間の背丈ほどの高さで、大きな実がたくさん生っている。通常なら1センチほどの実が、数センチの大きさに感じられて、小さな違和感を覚えた。実は確かにプルーベリー色はしていたけれど、不自然なほど透明感があり、内部から微かに発光しているようだった。

闇に目をこらすと、木の天辺のあたりに、膨らませた風船くらいの大きすぎる実が一つある。その実は少しずつ膨らんでいき、内部の圧が刻一刻と増していくのが克明に見て取れた。
そして想像の通りに破裂した。音はなかった。内部から無数の小さな実が現れて、弾け飛ぶわけでもなく、瞬時に木全体に拡散した。本来あるべき位置を本能的に知っていたのかと思うほど、何事もなかったような済ました顔をして、私たちはずっとここで生っていましたよと言わんばかりに、彼らは葉陰にじっと身を潜めていた。