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隕石の堆積場

邂逅の時

花弁のように降り積もる悔恨を
柔らかく踏みしだく前に
木枯らしが奪い去る
吹き溜まる桃色の溜息に
冬は恋をした

あなたの背中に降りしきる黎明の雪
首筋にほどけていく結晶を
わたしはつぶさに見つめている   
振り返らないで もう一瞬
少しだけ怖いから

瞳のなかに繰り返される原風景  
いつでも同じ幾何模様
幾万の深淵を覗き込み
渦巻く郷愁に身をやつす

記憶を手繰り寄せるまでの
たまゆらの時 
瞬きのしじまに往き過ぎる
幾光年の旅

あらゆる種子が
あらゆる屍が眠りつづける
大地を踏み締め
霜柱は軋む

呼吸を止め
重力を裏切り
この浮遊にたましいを懸ける
眼差しに灼けて
この軀が融けてしまおうとも

 

© 2019 Hibiki Suzuka