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隕石の堆積場

スパイ養成所

青春グラフィティ的な群像劇。主人公の二人の男子は、何らかの養成所に入所する。そこは表向きは何の変哲もない、どこにでもある専門学校のようだったけれど、内実は、諜報機関の要員を育成するという裏の顔がある。敵地に潜入捜査員として紛れ込むために、彼らはあらゆる技術を習得し、マルチプレーヤーとなる必要があった。

その日の実習は、なぜか、電車の塗装をすることだった。古くなった車両をペイントし直し、生まれ変わらせる。
主人公の二人は、同級生たちに妬まれ、陥れられる。故意に誤った情報が伝えられ、赤く塗るはずの車両を青く、青く塗るはずの車両を赤く、ペイントした。透き通った青空は、宇宙の果てまで続くかに思われる。二人の男子は汗の雫を宝石のように纏う。焼けた肌、口元には輝く微笑み。真っ白な歯が際立っていた。

指導員が様子を見に来て初めて、彼らの失態が公となる。高校球児のような二人の清廉さは、何事にもたじろぐことがない。遠慮会釈もない、真夏の太陽のような眼差し。裏もなければ表もない。単純なだけに恐ろしい、愚直な圧が伸し掛かってくる。心に後ろ暗いものを持つ身では、彼らの眼差しは、まさに殺人ビームのように感じられるだろう。サングラスをかけなければ、凝視することさえ出来ない。

その光の前で、同級生たちは地団駄を踏み、指導者たちはグダグダになって権威を失墜させた。結果、反対の色に塗られた二つの車両は、番号を入れ替えてしまえば問題ないということになり、二人はそのまま作業を続けた。顔も白いシャツも塗料で汚れた彼らは、導火線に火のついた赤と青のダイナマイトのように見えた。


私もダイナマイトになればいいんだな…!
しかしこの二人、偽情報に踊らされている時点で失格でしょ。

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