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椅子取りゲーム

通っていた高校の最寄りのH駅に向けて、自転車を漕いでいる。駅前はしばらく見ないうちに、特殊な変異を遂げた生物のように見ず知らずのものに変貌していた。
ひしめき合う原色と幾何学の洪水。熱を帯びた人いきれと喧騒。あらゆるエネルギーが不自然に圧縮され、あるべき数より多く、居場所を失ったものが溢れ出す。まるで椅子取りゲームでもしているように。
自転車を駐める場所を探して歩き回るうち、くらくらと目眩がした。駐輪できそうなスペースには、どこも既にたくさんの自転車が並び、柵に繋がれた家畜の群れのように見えた。ハンドルはそれぞれに勝手な方向を向き、圧搾されてひしゃげた憤りを象っている。

あり得ない場所に、セブンイレブンが出店している。こんなところにコンビニは無かったはず。高校時代の友人が二人いて、彼女たちとともに店内をそぞろ歩く。櫛や髪飾りのような伝統工芸品が、美しく並べられている。そのすぐ隣に、よく見るパッケージのあんぱんやクリームパンなどの菓子パンが隊列を整えている。雅な公卿の宴と、バーゲンセールの行列が同席しているかのようで、どうにも不釣り合いで、滑稽に映る。
この異質で奇妙な取り合わせは何なの? ふざけてるね。私は呆れた顔で友人に同意を求める。善良すぎて、どんな批評も悪意と同等に思い做す彼女たち。私の批判的発言に対し、一瞬眉をひそめたけれど、彩雲が流れて満月を覆い隠すように、真の感情を覆い隠した。そこに置き換えられた汎用性の高い微笑に、何一つ意味はなかった。