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一粒の葡萄の瞑想

体の中心から 光が降りていく
どんどん どんどん降りて 地球の中心まで達する
マグマに熱せられた光が また上昇してくる
私の中心へと 美しく赤みを帯びた光が還流する

体の中心から 光が昇っていく
どんどん どんどん昇って 宇宙の中心まで達する
星々に彩られた光が また下降してくる
私の中心へと 美しいゴールドの光が還流する

地球からの光と 宇宙からの光が対流し続ける
2つの光の重なるところ 私の中心でそれは火花を散らし
鎖をつなぐようにして交わる

私の中心に 魂のかたまりがある
光のつなぎ目と 魂とがぴったりと合わさったとき
光に融かされるように 塊の周囲にある薄皮のようなものが一枚剥がれる

双方向からの光が流れ続け
また一枚 薄皮が剥がれる
もう一枚 また一枚 次々に 皮が剥がれ続け
これ以上剥がれられない 核の部分に達する

それは 葡萄の一粒のように みずみずしく
柔らかく 無防備で
どこかいたいけで 愛らしい
その一粒に 宇宙からの光 地球からの光がなだれ込み
刻々と 対流を続ける

皮とともに さまざまな汚れが剥がれ落ちていき
光に圧縮され 
葡萄の一粒から ひとしずくが滴り落ちる
それは葡萄の涙
悲しかった 苦しかった 胸が痛かった
葡萄が泣いている 訴えている
私は その涙を優しくぬぐってあげる
いつまでも その声に耳を傾ける
願いを受け止めてあげる

双方からの光は いつまでも対流を続ける
剥がれた皮や 涙は 綺麗に流し去られる
葡萄の一粒は 輝きを増し
みずみずしく柔らかいまま 水晶のようにきらめき始める
双方からの光は もっともっと注ぎ込まれる
葡萄の一粒が満ち足りて 微笑むまで 惜しみなく対流は続く