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Dépôt de Météorites

過去の写真を燃やす

大きな画集の中に、密かに心を寄せていた人の写真を隠していた。新聞紙ほどの大きさの分厚い画集と画集の間に挟まれた、雑誌か何かから切り取られた笑顔の写真。広いロッカーのような、個人のものを収納するスペースに、様々なものに紛れて画集はしまわれていたけれど、荷物をまとめて移動しなければならなくなった。私は罪を犯したようにそわそわとして、その人の写真が誰かに見つからないようにと必死になる。この写真が人に見られれば、嘲笑の的になることは分かり切っていた。

人目を盗んで持ち出そうとするけれど、写真は大きいので丸めても鞄にうまく入らない。折り目はどうしてもつけたくなかった。誰かが来て画集を抱えて持っていく。血が頭に上り、頬が熱く脈打つのを感じた。慌てた私は、ついにその写真を折り畳んでしまった。鞄に押し込めると、私は脱走犯のようにそこを後にする。

縦横に折り目の入ったその写真を広げる。やや目尻の下がったはにかみに、二度と元には戻らない折りじわがついた。日焼けした顔に茶色に染めた髪。見つめていると、その写真はいったいいつ撮られたものだったか、急に定かでなくなってくる。

すると、隣に写真に映っているその人本人が現れ、一緒に写真を覗き込んだ。これは何十年も、何百年も前の写真だね。今の自分とは全く別の、もう既にこの世界から消えた過去の僕だと、彼は言う。今の彼と写真の彼。本当にまるで別人に見えた。昔の即物的な笑顔は消え、深く静けさを湛えた夜の海のような顔がそこにあった。闇の底まで照らす満月のような瞳に包まれて、私は立ち尽くす。彼はその写真に火をつけ、めらめらと燃えゆく様を見つめる。炎の影が、その横顔に揺れた。