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横這い

何でも早く早く、変化に次ぐ変化で、目まぐるしくなった世の中で、流されていることさえ気づかずに流されてしまう。必ずしも必要のないアップデートに、世間に遅れてはならないという一心だけで、必死に喰らいついていたりする。全く必要のない努力に、全く必要のない傾心。

そういうのに取り残されている。というか、自ら取り残っている。変わらなくていいものは変わりたくない。
世界経済だって発展し尽くして、これからは搾取する辺境もなくなってくる。先進国は人口も減ってくる。横這いで上等じゃないかと思う。ある程度進化した後は、維持する段階に入るのが当然なんじゃないか。

静かに魂だけ磨いていけるなら、伸び続ける必要なんてどこにある? むしろ大切なところへ傾ける心をすり減らしてしまう。常に努力して、成長して、右肩上がりに成果を出して、誰もに誇れる形の自分になろうとすると、大切なところを削り取ってしまう。ただ上昇していくことが目的と化して、気づいたら、そもそも何のために上っていたのか解らなくなる。

放って置いても、魂は私を見捨てはしないし、奈落の底に落ちていくこともない。横這いで、蟹のようにノロノロと歩いていれば、必要な場所には行き着くようになっているはず。魂の計画した学びに適した道。右肩上がりを目指して盲進することをやめ、スピードを落として横這い状態となることの方がむしろ進化なのかもしれない。