鬱で入院する前、自分でもメンタルが不安定になってきているのを強く感じていたため、マインドフルネスや森田療法等の本をもう一度読み漁り、どうにかして精神を安定させたいと必死になっていた。結果として、そうやって足掻いてしまうことで心がもっと消耗していった。それは心を安定させると言うより、心を鍛える方法に近かった。私が勝手にそのように捉えてしまっただけかもしれない。たぶんそうだろうけど。
それよりもっと前は、スピリチュアル系の本を縋るように読んでいた時期もあった。引き寄せの法則とか、バシャールとか、神との対話とか。それは惰性で進んでいた方向を改めるための衝撃としては十分すぎるほどで、とても衝撃的だったし、直観的にこれが宇宙の真実だということがよく解ったし、当時の私には不可欠な出会いだった。
でも、次第にスピリチュアルな方法論は下手をするとエゴを強化してしまうと気づいた。もちろんエゴを知るために必要な過程なのだと思う。そこを通り過ぎて、何かを手に入れるためにスピリチュアルを実践するのはどこか違うと感じるようになった。それでは自我の領域に留まることしか出来ない。自我でなく魂が望むことなら、そもそも引き寄せたいと願う必要さえない。全ては既に与えられているのではないかと思うようになった。
今は、なるべく自分の内側に尋ねるだけにしようと思う。本を読んで人生のヒントを貰おうと感じることが無くなってきた。
ヒント無しで自分探しの旅をクエストする。ヒントがなく自力で行くほうが、もっと面白く、もっとやりがいがある。
どんな道筋を通っても真実のゴールはひとつ。その経路は星の数ほど。物理学でも、宗教学でも、スピリチュアルでも、医学でも、どんなことを追求していったとしても、その最高の極みとして行き着く真実は一緒な気がする。それが宇宙の真理で、魂の真理へとつながっていると感じる。だからどんな道を進もうと、迷おうと、遠回りしようと、好きなだけ道草を食おうと、何だって大丈夫。
それならショートカットは要らない。自分の心に問いかけ、自分で決めて、ナビゲーションを使わず地図も使わずに目的地に向かってみたい。そのほうがゲームの難易度が上がり、楽しいんじゃないか。
