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老いるということと真実の美

オードリー・ヘップバーンが晩年、写真を撮った際に、顔のシワを加工して消しますか?とフォトグラファーに提案されて、こう答えたそう。
皺は私が人生の中で手に入れてきたもの。一本たりとも消さないでください。


かつて何かの広告写真だったか、ある高齢女性の写真が印象に残っている。
80代くらいの西洋人女性で、髪は白髪のままのショートヘア、顔は多分全くのノーメイクで、深い皺が顔中に無数に刻まれていた。
その深い皺が、とても見事で美しいものに見えた。
その方の眼差しは鋭く光り、何もかもを貫通し見透かしてしまうような、抗いがたい力を持っていた。
もともとの顔立ちが美しい方ではあったけれど、美しさという概念の枠を優に超えた、もっと高い領域に存在しているように思われた。
綺麗に着飾って、隙のない化粧を施して、年齢を感じさせないよう常に労力を惜しまない女性たちが、まるっきり色褪せて感じられるほどだった。


こんなふうに年を取れたらいいなと思う。