SITE MÉTÉORIQUE

Dépôt de Météorites

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

虎を退治する

数冊の本を読んだ。偶然にも、どれも虎の退治に関する内容だった。そのうちの一冊は、こんなストーリーだった。 主人公の “私” は、いつものソファに座ろうとして違和感を感じる。カバーをめくると、内部からムカデにも似た虫が次々と湧いて出て来る。戦慄を…

思考さんの気持ち

心を無にして瞑想をするのが良いことだと思っているでしょ雑念が消せないのを悪いことと思っているでしょ それも良い悪いのジャッジだ思考をねじ伏せようと張り切っても無理なくすことは出来ないし 考えることが悪いことなのではない考えないのが良いことだ…

新・閏年

政府から、新しい閏(うるう)年の制度の導入が発表された。官房長官が喋っているのをニュースで見た。いつもと同じ様なトーンで、ごく当然のことのようにさらっと、それは発表された。来年から始まるというその制度は、通常なら2月29日だけをプラスするのに…

記憶は愛より悲しいもの

『傷だらけのふたり』 2013年の韓国映画を観た。本当に泣ける映画というのはこういう映画のことを言うのだろう。ベタな展開だなと思いながら観て、それなのに最後は見事に泣かされてしまった。主演のファン・ジョンミンが素晴らしかった。お涙頂戴で、さあコ…

劣等感を中和する

またジャッジしてるな どちらが正しくてどちらが間違っているとどちらに価値があって どちらには価値が足りないとだから人と比べて自分が劣っているように感じてしまうんだ劣っていても優っていてもどちらでも良いんだよその両方で私は完成されているのだか…

合言葉

独特のユーモアのセンスがあるので有名な、議員のK氏が、体育館に講演をしに来る。女子たちは誰が来るかを知らず、有名な外国の歌手が来るらしいと噂を立てていて、それが誰なのかで会話に花を咲かせていた。体育館に椅子を持ち込み、並べながら、話に乗っ…

顔のない人間

『絶対の愛』 2006年のキム・ギドク監督作品を観た。冒頭は、整形がもてはやされる外見至上主義に警鐘を鳴らすような内容なのかと思ったけれど、流石に数段奥が深かった。 顔を変え、名前を変えたら、元の人間性をよく知っていたとしても、その人がその人だ…

最後のごはん

犬派か、猫派か? と聞かれれば、たぶん私は猫派。犬のようにご主人様の言うことを素直に聞くのは嫌だし、愛情表現も犬のようにストレートでなく、かなりひねくれている。嬉しいときに喜びを全開になど出来ない。猫みたいに狭くて暗いところが好きだし、落ち…

外部ファースト

部屋に、首から上だけのマネキンが四体ほど置かれていた。カーテンレールの上の棚にマネキンの首が並び、それぞれにカツラをかぶっている。モーツァルト風だったり、ベートーベン風だったり、様々なカツラ。私はなぜ自分の部屋にそんな物があるのか、首を傾…

傷ついた演技をしている

この現実はマトリックスで 人生に起こる様々な事柄はゲームの中で起きているロールプレイングケーム 私は 私という役柄を演じている どんなに傷ついたと思っても それは傷ついたふり 傷ついた演技何かが怖くてたまらなくても それも怖がるふり 怖がっている…

壁を作ってるよね

演劇の学生サークルのような団体に入ろうとしている。沢山の団員と沢山の志望者がいて、ごった返していた。私は演劇を観念的に捉えて、内容を深く掘り下げて話し合えるような友人が欲しかったのだと思う。そのためにそこに参加してみようと思った。 志望者が…

超新星爆発

小学校四年のとき、児童会の選挙というのに立候補させられた。大人の選挙の真似事をして演説し、投票し、役員を決める。内向的の極みとでも言ったような性格の私は、人前に出たり、壇上に上がったりするだけで目眩がしてきそうだった。そこで何を発言したか…

天からの使者

かつて、隣接するS市にある美術館に行ったとき、初めて、てんとう虫を間近でしみじみと見た。美術館の周りには、自然がたくさんあり、美しい池や遊歩道などもあった。作り込みすぎるのではなく、自然のありのままの形をできる限り尊重しながら、それでいて…

白さの果てにあるもの

『すべての、白いものたちの』 ハン・ガン著 読了した。 白いものたちを一つずつ連ねて、丁寧に丁寧に編んだ、ネックレスのような作品。読み進めるうちに、白さが一枚ずつ増していき、やがて世界中の「黒」が「白」に反転してしまったような錯覚に陥った。 …

ゆきちゃん

ゆきちゃんはとても賢くて、好奇心旺盛な女の子だ。ゆきちゃんは小学校四年生くらいに見えたけれど、もしかするともっと小さいのかもしれない。様々なことを疑問に思ったらすぐに自分で実験してみないと気が済まないのだそうだ。昨日もキャベツから発酵種を…

自分らしさという嘘

「自分らしさ」という言葉が、生理的に嫌いだった。夢とか希望とか絆とか、手垢にまみれて偽善でしかなくなった言葉と同列で、もう既に意味を持たない、死んだ言葉。あるいは沢山の穢れを背負わされて、内部から崩壊した言葉。 自分らしく、私らしく、なんて…

地球上の常識を痛烈に笑い飛ばす

『美しき緑の星』 この映画はもう何回か観た。1996年、コリーヌ・セロー監督・主演のフランス映画。長い間発禁になっていて、ネットに上がってもすぐに消されてしまったらしい、いわく付きの作品。今はDVDも売っているらしくて、びっくり。 物質文明をはるか…

真ん中にいる

悪と戦って善が勝つのではない戦いは新たな敵を作り出し 永遠に続く悪にとっては自分たちが善であり 善のほうが悪なんだ 私にとっての悪は 私の中にあるもの悪を憎むことは 自分を憎むことかと言って 悪を愛するなんて 偽善になっちゃう苦しみや悲しみを愛し…

嫉妬と銀色の鱗

昔、数回だけ話したことのある知人Hが、動画を配信するチャンネルを始めたと聞いて、見てみようと思い立った。動画は途中から再生され、いきなりHの後ろ姿が映っていた。後ろ向きで何かを説明している。タイトなジーンズと、白いクロップド丈のセーターと…

鏡面に映る宇宙

心を鏡面のように磨く日々の暮らしで降り積もる埃も ひとつひとつ滑って消えていく心を鏡面のように磨いたら青空がそのままそこに映る宇宙がそのままそこに映る私のなかにもうひとつの宇宙が誕生する そんな事を思いながらも私の心は今日も沸き立ち鏡面とは…

最高の自分

最高の自分とはどんな自分?最高の自分ならどんな選択をする?どんなものを着て どんなものを食べ どんな生活をしている?私にはイメージできない 今の自分が みすぼらしくてもだらしなくてもかっこ悪くても最高の自分なのだ 素敵な自分を思い描いたとして …

クレジットカードを紛失する

久しぶりに都内へ買い物に出ていた。友人二人と一緒だった。かねてから存在は知っていたが行ったことのなかった天然石の店へ、行ってみたいと急に思い立った。その店は名前も経営者も変わっていなかったが、天然石の店でなく、天然酵母のパン屋さんに変わっ…

人として重要なものが欠けている 

子供を産みたいと思ったことがない。それで後悔することはないと思う。親と子という関係性はもう十分すぎるほど味わい、苦しんだと思う。もう沢山だというのが本音だ。誰かの子供であることは、苦しみ以外のなにものでもないと感じてしまう。自分の子供にそ…

タロットカードが思い出せない

タロット占いをしてもらっている。四枚のカードを正方形の角の位置に並べる、簡単なスプレッドだった。二枚目がハートの10のリバースだったのを覚えているが、後で考えてみるとハートの10はタロットカードでなく、トランプだ。 タロット占い師は、若くてイケ…

過去の私は、私ではない

歳を取ることも悪くない。若さと引き換えに、若い頃には持つことのできなかった経験や知識という宝を得てきたのだから。そう胸張って言える人が羨ましくもある。 私は年月を経る中で、何を失ったのだろうか? 何を得たのだろうか?私は、失った分だけ得てい…

ハーモニカを教える箱入り娘

単発のアルバイトのために、M小学校の近くの、ある医院に併設された老人ホームに向かっている。家の近くだし道はよく知っているはずなのに、なぜだかなかなかたどり着かずに苦労した。角を曲がって看板を見つけると、約束の時間ギリギリだった。老人ホーム…

慣れてしまうということ

天然石が好きで、以前は少しずつ買い集めたりしていた。ブレスレットとか、指輪、ピアスなどもそこそこの数持っているのだけれど、段々と身につけることは少なくなってしまった。パワーストーンとして、独自のエネルギーがあるのを感じ取れなくなったわけで…

水路を流れる魂とマシンとの類似性

家の近くに水路のようなものがあった。背の高い草が生い茂る中をかき分けるように、さらさらと流れている。そこへ、一本ずつ、刈られた草が流れてくる。青々としたものから、藁のように茶色くなったものまで、一本ずつ、ゆっくりと流れてくる。それらには、…