SITE MÉTÉORIQUE

Dépôt de Météorites

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

子猫を保護する

デパートで待ち合わせして、学生時代の友人四人で昼食でも取る予定だったのだろう。私たちはエスカレーターを下りながら談笑していた。一通り館内を巡り、文字通りのウィンドウショッピングを楽しんだ。Hは以前よりスリムになっていて、そのせいか、すらっ…

わたしはあなた

「わたし」は「あなた」で「あなた」は「わたし」だというとずいぶん大雑把で 感じたことを表せていない 私の体は元々あなたのもので私の心も精神も元々あなたのものでその逆も然り私はあなたのために作られただとしたらそれも真実でしょう この目も鼻も口も…

スニーカーを磨き上げる

大きな陸橋を渡った先に、古めかしい石造りの建物がある。私は陸橋の手前でハンドルを握りながら、信号待ちをしていた。何度も時計を見れば時が速く進むというわけでもないのに、ひっきりなしに左手首の時計へと目を落とす。石造りの立派な建築物は、とある…

忘れがたい友

彼女とは、入学式のすぐ後のオリエンテーションで出会った。学籍番号が近かったので、同じテーブルに座ることになった。私より遅れてやってきた彼女のことをよく覚えている。遅刻したわけでもないのに申し訳なさそうに頭を下げながら、眩しいものでも見るよ…

無駄な心労

自分にできることはなく、運を天に任せるしかないようなことを、気にかけて心配しても、どうにもならない。心配したからといって、なにかが変わるわけではないから、無駄な心労でしかない。気にかければ変えられること、自分の選択で現実が明らかに変わるこ…

エネルギーの裏と表

恐怖を感じるのは ワクワクしているのと同じエネルギー同じエネルギーの裏と表だから何の心配もいらないし そのままでいい どんな感情にも 同時に 見えていない真逆のエネルギーがある

花一匁

“はないちもんめ”という、古くから伝わる子供の遊び。あれってとても残酷な気がする。私は非常におとなしく内向的な子供だったので、幼少期から特に親しくしていた幼馴染のYちゃん以外の友達には、あまり心を開けなかった。だから存在感が薄かったのだろう…

自ら創った呪いの罠

父は 私を自身のコピーのように仕立て上げようとしたから男性は戦って勝利して 蹴落とす対象でなければならなくて自分が女性であってはならないような抑圧と罪悪感のようなものをずっと感じていた恋愛をすることも 罪悪の一つのようにどこかで感じていた 父…

春めいた午後の沈黙

地図を見ると、栃木県か群馬県のあたりのようだが、実際の地図とは全く異なる、聞いたことのない地名、実在しない国道、見覚えのない図柄がそこにあった。 K君とその奥さん、私と、友人Sの四人で、国内旅行に行くことになった。K君が車を運転してくれて、…

淋しさという感情

私は淋しかったんだ と思った淋しさなんて感情はとうの昔にどこかに落として見失ってしまった淡い色彩は闇の中では見分けられないずいぶん久しぶり手にとってまじまじと見たような気がしたそれが見えるようになったということは少しは明るい場所へ出てこられ…

すべてを諦めたときの風景

すべてをすっかり諦めてしまおうとしたとき世界は色褪せて見えるだろうと思ったでも それは逆だった 世界が急にまぶしく光溢れて新緑の色が濃く鮮やかになって感じられ永いあいだ堰き止められていたものが戻ってきたように何もかもがやたらに美しく見えた何…

嫉妬を愛する

スチュワーデスになりたいけど、私なんか可愛くないから無理だよね? そんなふうに周囲に尋ねるクラスメイトの言動に、強い違和感を抱いていた。そう言われたらほぼ100%の人が、そんなことないよ、充分可愛いから大丈夫だよ、と答えるでしょう。充分可愛い…

デキルシン

某アーティストが、ニューシングル「できる心(デキルシン)」を発表し、それがドラマの主題歌に決定したと、テレビをつけたら流れてきた。そのドラマは、宇宙から来た〇〇から〇〇を守るため、〇〇となった主人公が、〇〇と戦うストーリーだと、ボードに書…

盲目になるほど

日常に転がっている どうでもいいような些細な不安あまりにもちっぽけなものばかりに心を揺らしてくだらない溜め息に溺れて それもすべて 根っこはたった一つで愛されないという不安受け入れてもらえない恐怖否定され拒絶される恐怖笑えるくらいにそれだけし…

痛みだけが生きている証

小説や映画や音楽に 触れることが長い間出来なかったのはエネルギーが足りなかったということ以上に心がたくさん動くことによって眠りについた胸の痛みがまた生々しく息を吹き返すのが怖かったから 癒されれば 過去は跡形もなく消えてしまうのかもがき苦しん…

革に触れることができない

いつのことからか、革に触れることができなくなった。鞄や、財布や、靴や、様々な革製品が耐えられなくなり、昔から持っていた幾つかの靴を除き、今ではほとんど革製品を持っていない。 何が苦手なのかと言われても、うまく言葉で説明できそうにない。私にと…

現実逃避

厳然として立ちはだかる現実目に見えるものだけで構成される世界が内的世界より 溢れる思いより 衝動より 直感より私を形作るなにものよりも遥かに強靭だった自然の猛威の前でいのちが全く無力なように内側の世界は脆く儚かった それが私がどこまでも苦しん…

正反対のふたり

地元の学校が、私たち三年生が卒業すると共に閉校することになって、最後の謝恩会のようなものが開かれた。その教室は、カラオケボックスのような一室に変わっていて、薄暗い蛍光灯の下、十数人がセンターテーブルを囲んでいた。 私は、T君の隣りに座ってい…

冤罪

何か新しいことに気づいた時に今までどうしてそれが見えなかったんだろう と思って今までの自分を恥じたり 罰したりしていた もう過去は消えてしまったものなんだから過去の自分を反省することに 今の自分を使うのはもったいない過去の自分を罰するために今…

軸からずれないためのセンサー

朝起きて 今日も1日どこへも行かなくていい誰にも会わなくていいと思ってホッとする今でも毎日その繰り返し学校に行くのが辛かった頃目覚ましのけたたましい音で柔らかい睡眠から体を引き剥がされる痛み誰もが耐えているものに耐えられない目覚ましで起きな…

自分を変えることを諦める

小さい頃から他人が怖かった理由もなくただ怖くて店で買い物をするのにも震えているような始末 思春期を過ぎる頃には人並みに振る舞えるようになったみんなそうやって成長するのだと 人は言うでもそれは単に 感情を押し殺し ごまかしているだけだった麻痺さ…

拉致された宇宙人の子

地球に馴染めない宇宙人みたいで社会的にも私的にも何をやってもポンコツで日々生きていくだけで疲れてしまうこのポンコツぶりを見たら 誰もが尻尾を巻いて逃げていくんじゃないかとそれも個性です で通るんでしょうかって 幼い頃の写真を見るとどう見ても …

ときめきを冷凍保存したい

『隠された時間』 2016年の韓国映画を観た。カン・ドンウォン主演。ただのファンタジーでは終わらない、心を鷲掴みにされるような甘美な映画だった。下手な恋愛映画よりずっと心に滲み、胸が震えた。初恋の人が時を経て、もっと素敵になって突然迎えに来てく…

神から見た私の姿

身体のなかに 魂の宿る場所があるそれを そっと感じてみる 心臓のあたりか みぞおちのあたり 胃のあたりかもしれないそこにぼんやりとした光が灯っているのを感じる その光のなかに 手を差し込んでみるそして 身体ごと引き込まれて行くのを感じる夢うつつの…

怖いものなしじゃなくても

体験を怖がるな とよく言うけれど怖がらないでまず一歩踏み出そう と言うけれど体験によって隠されていた自分が見えてくるから興味深いのだということはよくわかるけど 怖がるという体験も体験で 怖がるという体験自体を恐れなければ良い ともよく聞く分かっ…

自分を愛するということ

愛する人が世界のすべて 宇宙のすべてであり その人なしに 私は存在することさえできない その人を奪われることは 眩しく注ぐ光も 胸を満たす新鮮な空気も 渇きを癒やす清しき水も生命を生命たらしめるすべてを失ったまま完全なる無に閉じ込められるというこ…

色に染まらない者

スピリチュアルに関心のある人々が集うサイトを見つけて、コメントを書き込んだ。その内容は忘れてしまったけれど、翌日それに対して、サイトの運営人から返事があった。当たり障りのない言葉をさらにオブラートに包んだような、歯切れの悪い言葉が並んでい…

天国はどこに

いま 自分のいる世界が天国と思えなかったらどんな場所に行っても天国とは思えないだろうどんな天国に在っても 不平不満を漏らすだろう

社会の奴隷から脱皮する

『コンビニ人間』 村田沙耶香著 読了した。 この登場人物を見て、ちょっと変わったおかしな人、普通じゃないけど面白い人、と思うなら、その人はこの社会を上手に泳ぎ、疑問を持たず、不自由することなく生活できている人なのだろうと思う。私はこの主人公を…

優越感を吐き出す

本当は誰も 優れても劣ってもいない誰もが特別で 世界一である存在 そう知っているのにそれでも 劣等感をどうやっても手放せないとき いっそのこと私は世界で一番遅れている 未熟で 足りない存在だと思えば全員が私より優れていると思えば それが当然と受け…