SITE MÉTÉORIQUE

Dépôt de Météorites

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

致命的な失言

階段の上に岡村さんがいて、階段の下に田島さんがいた。私は階上の岡村さんに向けて、「田島さんがお越しです。岡村さんをお探しですよ!」と言うべきところを、「岡村さんがお越しです。田島さんをお探しですよ!」と、うっかり名前を反対に言ってしまった…

正しい羨み方

誰かを羨ましいと思ったらその人と同じ風になったらどう感じるだろうってイメージすると良いそうでもなぜか そういうのってとても疲れる今同じようにできていない自分を意識して 嫌ってしまうから?それこそが「呪い」なんだ 自分自身を呪ってきたようなもの…

時を超えた郵便物

自宅の郵便受けを開けると、幾つかの郵便物と一緒に、何やら大きな包みが入っていた。包装を解いてみると、数枚の皿が現れた。自宅で頻繁に使っている、桜の柄がワンポイントで入った平たい皿と全く同じデザインで、花の色が橙色で描かれた色違いの皿だった…

金色の小箱

美しく切ない郷愁の想いに潜っていく想いをぼんやりとしたビジョンに置き変えていく万華鏡を覗き込むように 規則的に回転するそのビジョン次第に引き込まれ 解像度を上げていく 蓮華の咲き乱れる草原 柔らかい風が髪を揺らす幼い頃よく遊んだ場所に似ている …

踊る花のオブジェ

中華料理店から出前が届く。2人前のチャーハンと餃子は、まるで宮廷料理のように細かい細工で飾り立てられ、高級感が漂っていて驚く。これ、どこから取ったっけ? 母に訊くと、大通りに出たところのパン屋さんの先にある店と答える。そんなところに中華料理…

欲望と犠牲

韓国歴史ドラマ『六龍が飛ぶ』 終了。欲望に忠実な人って魅力的。自らの欲望を、自らの意志で肯定できる人っていうのかな。持て余すほどの才覚と胆力があって、それを埋もれさせて生きることは、何より耐えられない。一人の生身の人間としての、恋慕も友情も…

邂逅の時

花弁のように降り積もる悔恨を柔らかく踏みしだく前に木枯らしが奪い去る吹き溜まる桃色の溜息に冬は恋をした あなたの背中に降りしきる黎明の雪首筋にほどけていく結晶をわたしはつぶさに見つめている 振り返らないで もう一瞬少しだけ怖いから 瞳のなかに…

水底を映し出す鏡

トート・タロットに魅了されている。タロットカードはずいぶん昔、若い頃に一度興味を持って、二つほどデッキを買った。一つはメジャーなライダー版に準ずるもの、もう一つがトート版だった。当時は、トートの図柄がなんとなく強烈すぎる気がして、自分のな…

世界を受胎する

胸に圧縮した憤りも限りない密度の結晶となれば透明な水のような静けさを抱く 沈んでいく なにもかもが沈殿したのちに荒涼とした世界はひとしずくに凝縮される それを飲み干すのは かんたんなこと 見つめていたのはあなたの影だったいいえ わたしの影だった…

因果律

まだ薄暗い早朝、校舎の階段を上っていた。煤けたコンクリートの灰色だけに支配された、廃墟のような空間。階段の途中には、新聞紙が散乱して行く手を阻んでいる。折り畳まれた大量の古新聞に混じり、スナック菓子やウエットティッシュの袋も散乱していた。…

思いのエコロジー

未来のことを心配するのに 今の時を使うのは ただの無駄遣いあらゆる無駄を省こうと必死なのに どうして今という時間の無駄遣いは平気でしているの? 心配は最小限にするのが エコというものどうしてもそれが起こってしまったら その瞬間だけ心配すればいい…

演技派女優

ドラマのセットは、ちょっとしたアスレチックか何かのようで、一軒の家の内部に、緩い螺旋を描く滑り台のようなものがあったり、ボルダリングの壁のようなものがあったり、複雑に込み入って、目眩がするほど派手な原色が散りばめられた内装となっていた。私…

過去へと向かう列車

『ペパーミント・キャンディ』 1999年のイ・チャンドン監督作品を観た。 人生に失敗した男が、思い出の場所へ帰ってくる。同窓会に現れた彼は、妙なハイテンションで騒ぎまくり、旧友たちに呆れられる。気がつけば彼はひとり陸橋に登り、線路の上で列車の到…

優先順位

自分に愛を捧げるのも世界に愛を捧げるのも本質的に同じことならまず世界に捧げてみれば 自意識から離れやすくなる?世界を優先して自分をないがしろにしてしまう?やはり自分が先のほうがいいの?これに答えはないのかもしれない 世界を愛せないほど傷つい…

集合的無意識の視点

自分が変われば周りも変わる。周囲の人は自分の鏡だ……という、よく精神世界の教科書などで言われていることがどうしても納得できなかった。実践する努力をしても全く現実は動かないし、苛々して余計ストレスが溜まって爆発していた。これに関しては本当に本…