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Dépôt de Météorites

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

筆跡

筆跡というものに宿る肉体性に、目を見張ることがある。精神性は文字の外観よりもその内容に宿るけれど、筆跡は殆どその人の体の延長に思える。筆跡には、精神性とは違う次元の、粗雑でありながら精密な肉体の豊かさが織り込まれている。自分では知らない自…

宇宙の朝

階段を、目を閉じて上っていく。闇の中を手探りで、ゆっくりと一段ずつを噛みしめる。上り切り、目を開くと、自分の部屋が整然とした美しいものに変わっていた。ベッドの向きが違い、鮮やかなフクシアピンク色でペイズリーのような模様が描かれた、真新しい…

暗い小部屋

憂鬱な気分というものは「感情」ではなく憂鬱な思考が積み重なった後の味わいなだけ憂鬱さは「思考」でしかない その思考を手放そうと躍起になると手放せないという現実を責め始める苦しみの上塗りにしかならない そんな思考にかかずらわることを一旦やめて…

核融合のような

『渇き』 2009年のパク・チャヌク監督作品を観た。気持ち悪い!どうしようもなくグロテスクだし気色悪い。もう吐きそう。なのに、何なんだろう、圧倒的な力で揺さぶられる。衝動が地核の奥深くから轟いてきて、精神を粉々に砕かれるようで。 映像のどの瞬間…

点描画

寒い夜に暖かな布団にくるまって眠れること無事に朝を迎えられることそれだけでも奇跡のようなことそれ以上を求めるのは強欲なのではないだろうかともう一度噛み締めてみる 人間は 食べては便を出し食べては歯を磨き汚れては風呂に入り部屋を散らかしては掃…

ブルージーな煮豆

夢の中で、こんなドラマを観た。国内の少し古いドラマのテイストだった。主人公の若い女性が、書店でベストセラーを見繕う。彼女は自分の少々風変わりな個性を封印して、社会に認められる存在になろうと思い詰めている。いま世間で流行っているもの、世間が…

他人のお喋り

思考は 自分自身のものじゃない どんなに自分が考えているように思えても自分のものじゃない社会の中で生きるうち 外側から植え付けられた方法論 「他人のお喋り」を聞いているようなもの 参考にすらならないことがほとんど振り回されないで

黄金の部屋

陽だまりで、愛犬のネルと戯れていた。南の空低く太陽が横切り、ガラス越しに長い影が伸びている。板張りの床の上、影が踊るのを見つめる。ポメラニアンのネルはベージュ色の毛色だったけれど、陽光に細くふわふわした毛の一本一本が煌めいて、黄金でできた…

壮大な人体実験

山崎製パンが競合他社を告発するような声明を出したことがあった。他社はイーストフードなど添加物を不使用と謳いながら、実際は原材料表記をしなくても済むような他の方法で添加物を加え、事実上はイーストフードを加えているのと同じようなものであるのに…

深夜の壁掛け時計とブルーベリー

突然、母に起こされる。3時半だよ! 遠慮のない大声に目が醒める。幼い子供のような、思慮の痕跡が全く感じられない率直な声だった。母からそんな声が聞かれることは初めてのような気がした。深夜の3時半。外界は静かな闇に覆われている。引き替えに部屋の中…

本物のスピリチュアル

夢見がちにふわふわした理想を追い醜いものから目を逸らし 無かったことにしてアセンション後の美しい世界を待ち侘びるのがスピリチュアルなんじゃなくて 現実の泥にまみれて闇を直視しながら同じだけの光を心に留めることそれが本当のスピリチュアルな在り…