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Dépôt de Météorites

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ミッシングレター

音楽室で、多くの児童と一緒に歌を歌っている。小学校の音楽の時間らしい。アルファベットの歌を歌っていたので、英語の時間だったのかもしれない。ABCDEFG〜と歌おうとするのだけれど、その続きが所々どうしても思い出せない。記憶が部分的に黒塗りされてし…

崖へと突っ走る列車

『人新世の「資本論」』 斎藤幸平著 読了。SDGsは大衆のアヘンである! という扇情的な見出し。それに釣られて読んでしまった。 SDGsには、本質的に、資本を崇拝する今の社会構造を変える力などなく、焼け石に水状態であり、結局は現状維持状態しかもたらさ…

肉体と血

父の性根がねじ曲がっていたとしても それは血とは関係がない父の血がこの身体に流れていると思うと 自分を殺したくなったものだけれど 血そのものが穢れているわけじゃない肉体やDNAに罪はないそれは人智を超え エゴを超えた世界に属するものエゴによって汚…

与えられた名前

私は赤ちゃんを産んだ。正確には私のお腹から産んだわけではないのだけれど、どこからともなく降ってきたように私の手に授けられている。そして確かに私の子であることが分かっている。 あなたの名前は何なの? 私は赤ちゃんに問いかけた。赤ちゃんは「ヒロ…

真心と嘘とが分裂した人

『よく知りもしないくせに』 2008年のホン・サンス監督作品を観た。 日常のごくありふれたシーン、ごくありふれた会話の積み重ねの中に、よく知るはずの人の全く知らない顔を見つけて愕然とする。他人とは、まるっきり理解不能の、得体の知れないモンスター…

競争のない世界に生きたい

足の速い人同士がどちらが速いかを競いクイズ王同士がどちらが知識豊富かをを競い社員がどちらが先に昇進するかを競いママ友同士もなんとなくの空気でマウンティングするスピリチュアルな人々もどちらがよりスピリチュアルかを競ったりしてどこに属しても競…

暗闇に舞う光の軌跡

『メモリーズ 追憶の剣』 2015年の韓国映画を観た。何度生まれ変わってもあなたを恨み続ける──この血の最後の一滴までもあなたを恨み続ける──それは、切なくて胸が痛くなるほどの愛の告白だった。 信じ、魂を捧げた大義を、愛のために裏切った。その贖罪は自…

滑降

山あいの清々しい空気を胸いっぱいに吸い込む。辺りは新緑の他に何も目に付くものがない。自転車にまたがり、急な坂道の上にいる。これから、ここを滑り下りるのだ。なぜだか不安が過る。ブレーキはきゅっと握りしめれば手応えがあり、きちんと車輪の回転を…

下心

アフィリエイトだとか広告収入を得るため、とにかくアクセスを集めたい。いいねとかスターとかスキとかが欲しいから、自分の記事に呼び込む目的で、手当たり次第に足跡を残していく。これらがブログやSNSを駄目にしていると思う。(使い方によっては)目的を…

靴の片方

駅前の暗い夜道を歩く。霧雨が降っていて視界が悪く、ねっとりとした湿気が世界中をゼリーの中に閉じ込めたかのよう。変則的な形の横断歩道。アスファルトの上の白線が辛うじて視認できる。渡ろうとしてそれが横断歩道でなかったことに気づく。信号が変わっ…

旧い試験紙

水辺を横切る翼の影湧き出でる形有る生命を弔っていく涼み行く魂のリファレンスこの世界に色を添える 水のなかに揺れ続ける想いはどこまでも薄められた結果最新機器により検出不能どこまでも拡められた結果色は色を見失った 旧い試験紙が示す永遠より巨きな…