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理科教師

朝七時過ぎに起きなければならない。でも起きられない。七時半くらいから放映されるドラマがあり、俳優Cが主演している。私はそれを見たかった。起きなければと思っているうち数十分眠ってしまい、気づくと八時過ぎだった。重い体を引き摺って起き出す。ドラマは大半が終わってしまっていた。朝食に、昨日の残り物のおかずと、カロリーメイトが置かれている。おかずに手を付ける気にならず、冷蔵庫にしまった。


俳優Cは教師で、権力と結託した悪徳教頭と闘う。Cの仲間の教師は三人で、その一人が私だった。理科室で、Cと私は教頭と対峙した。教頭は私を惑わし、金品で釣ろうとする。理科室にはドラッグストアのように一面に商品が並んでいて、この全てを好きに使っていいと言う。さらに、開発されたばかりの未発売の入浴剤を特別に分けてやると言う。入浴剤は青っぽい瓶に取り分けられた液体で、蓋を開けると白い煙がたなびいた。


Cはそれを引ったくって、流しに置かれたたらいに水を溜め、そのなかに注ぎ込んだ。ぶくぶくと妖しげな音を立てて白い泡が立った。泡はみるみる膨張し、原爆のキノコ雲のような不穏な形状となった。その泡の色は不自然なほど漂白された、目に痛いほどの、白すぎる白だった。この入浴剤をもし使ったら、体中の皮膚がただれて死に至っただろうと、理科教師のCは言い放った。私は彼を心から尊敬し、尊敬が愛に変わっていく一瞬ごとを、連写するように克明に味わっていた。