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圧倒的な存在感と、強さと儚さのコントラスト

韓国ドラマ『ミスティ』 視聴終了した。
職業人としてのドラマであり、情愛のドラマであり、良質のミステリーでもあり、社会悪と戦う内容もあり、その全てが食い合うこともなく、分散して焦点がぼやけることもなく成り立っている、稀有なドラマだった。


野望のために、必要なものはどんな手段を講じても手に入れてきた主人公。ジャーナリストとしての揺るがぬ信念に裏打ちされた、計算された行動には矛盾の欠片も見えない。
そのしわ寄せを私生活で受け止め、いち女性としての人生は、散らかりきった部屋のように矛盾だらけ。
その人物像を深く掘り下げて見事に演じていたキム・ナムジュが素晴らしかった。この方はコメディタッチのドラマでしか見たことがなく、演技の幅に驚いた。同性でも惚れ込んでしまいそうな圧倒的な存在感と、強さと儚さのコントラスト。
人生を駆け抜けるために必須であると信じてきた、彼女にとっての野望とは結局何だったのか、そして愛とは何だったのか、考えさせられる優れた内容だった。


心の不調のために、文芸作品やエンタメ以外の映像作品、音楽や美術などに触れることが難しく、唯一心の負担を感じずに見られたのが韓国ドラマだったことは以前にも少し触れたけれど、おかげでずいぶんな数のドラマを見てきた。その中でも屈指の良作かもしれないと思う。
昨日の夢日記に書いたように、夢にまで出てきてしまった。