SITE MÉTÉORIQUE

Dépôt de Météorites

Twin Ray

その人は分厚い透明なガラスの向こうにいて
どうやっても手が届かない
外側の世界はガラスの向こう側に存在し 冷たく拒絶され

自分の内側にどこまでも深く潜っていって
ある一点の極に達すると 世界が反転し
宇宙の果てでやっと逢える そんな気がしていた

でも今はたぶん
その人は地続きの場所にいて
今すぐ飛び出して探しに行けばそこにいてくれるような気がする
内側に探す時間は終わった
ようやく内側の恋人との統合が完了した
内側にいる自分自身の半身を愛することができた
そういうことなのかな

ガラスの厚い壁の向こうに見えていた光景
その苦悩 嫉妬 絶望
それらは実在せず 
ガラスの鏡に映し出されていたイリュージョンだった