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狂っているのは誰

朝起きると、外は薄暗く、時間の感覚が麻痺している。朝なのか夜なのか全くわからない。それでも目覚めたということは高校に行かなければいけない、それだけがはっきりとわかっている。夢の続きを無理やり継ぎ接ぎしては、布団の中でまどろんでいた。けれどいつまでもそうしてはいられない。

考えてみたら、私ひとり大人になっていて、学校に行けば、SちゃんもAちゃんも高校生のままの姿だ。こんなおかしなことがあるはずがない。私が大人になっているなら彼女たちもいい大人なはずだ。そんな状態で高校に行かなければいけないなんて、何かが狂っている。
狂っているのは私の頭なんじゃないか。全ては悪夢のような妄想の中の世界なんじゃないか。

それでもお母さん、あなたは私に学校に行けというの? それだけしか言葉はないの?
私もいい大人になって、お母さんもいい年になって、私より先に逝ってしまうのは確かなのに、狂った娘を放り出したまま、ますます狂った妄想と現実の狭間に追い込もうとするの? あなたがいなくなった後、私はこんな状態で一人ぼっちになって、どうやって生きていったらいいの? 

恐怖が渦を巻いて襲いかかる。泣き叫びながら母に訴えた。
母がそこにいるのかいないのか、聞いているのかいないのか、それすら私にはわからなかった。世界の全てが歪んでいた。在るべきものが在るべきところになく、無いはずのものがそこに在り、在って欲しいものはどこにも無かった。