アルゴリズムによって勝手に並び替えられて、見知ったようなものばかりが集まり、新鮮な驚きを奪われる。今までと同じ視点ばかりで息苦しくなる。逆に言えば、自分を脅かされるような反対意見がないので楽ちん。
自分を逆から眺めてみると死角に気づく。そのような体験もいつの間にか減ってしまう。過去の自分と同じような価値観の同じような行動を勧められる。過去の自分の焼き増しが続くだけ。
テレビCMのように誰もに同じ情報が流れるなら、自分で取捨選択し、自分が心惹かれるものが何かという事実によって自分を新たに発見したりもする。動きがある。でも既に並び替えられて選択肢が偏った情報に接すると、自分の歪みに気づかなくなる。歪んだままで定着していく。それが本能的に怖く感じる。
気づかないうちに歪められてしまうことに、常に抵抗していかなければいけない。そのエネルギーがもったいなく感じる。必要のない疲労だけ蓄積する。テクノロジーが進化すると面倒くさいことも増える。要らない機能は極力自分の中に入れたくない。
