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メッセージ

掃き出し窓の外は真っ白い光の世界で、眩しさに滲んで見える。窓辺に立っている父の背中が見える。父はなぜだか何も身に着けておらず、裸のままで真っ白い光と向かい合っていた。白いレースのカーテンが窓を縁取って、柔らかく揺れている。

それに対して室内は不自然なほどに暗く、強いコントラストで弾き合っていた。私は室内の闇の中にいて、窓辺のシルエットが父であることに気づく。父は顔だけを傾けて、私の方を振り返る。

今はそれでもいいが、家族を作ることを諦めるなよ。父がその言葉を発したのか、心にダイレクトに概念を届けてきたのか、どちらだったかはわからない。その言葉はとても重く、胸にのしかかった。私は父のいる光の窓辺に近づいていきたいと感じなかった。近づいていけるのだということすら知らなかった。言葉の重さを味わうことで精一杯で、心に余白がなかった。

 

この頃どういうわけか夢を覚えていられなくなって、久しぶりに記憶に残る夢を見た。
確かに、家族やそれ同等の近い存在を新たに作ることはもうできないのかもしれない、それでも構わないと思い始めていたのかもしれない。やがて母がいなくなったら天涯孤独となるということを受け容れなければいけない、その準備をしなければいけない──その思いがずっと低周波音のように鳴っていたかもしれない。
父はそうじゃないと伝えに、夢に出てくれたのかな?