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痙攣

ベッドに眠る私は身体が意のままにならず、痙攣のように震えたり、ビクッとしたり、海老反りになったり、他人に操作されているかのように動いてしまう。
それが何故か決して不快ではなく、むしろその動きに身を委ねることが徐々に心地よくなってくる。誰かが私の身体を操作していて、私にはどうすることも出来ない。抗うすべもなくされるがまま。その誰かの存在が突如として愛おしくなり、時空を超えてどこかに確かに存在することに心が熱くなる。快さに身を委ねるのはどこか背徳的で、それ故の密かな歓びも同時に身体を貫いた。

ベッドの足元の部分にM・デラックスが座っている。体積にすると本物の5分の1ほどのミニサイズで、熟しきったトマトのような色のシフォンドレスを着ている。Mはなにか言いたげだがそれをじっとこらえているような表情で、私の方を振り返って見ていた。私は勝手に動いてしまう身体のせいで布団がはだけてしまうのを心配する。何故か私は何も衣類を身に着けていなかった。

やがてMは長く前置きをして、言葉で緩衝材を高々と築き上げた後、なにか核心的なことを言おうとする。もしかしてそれを言うつもりなら、それだけは恥ずかしいからやめてほしいと心のなかで願う。Mは身悶えるような素振りで、慎重に言葉を選びながらも、ついに言い放った。「その震えは欲望の現れなんです。渇望の現れなんですよ。これはどうしても言わなければならない、仕方のないことなんですぅ!」

やはりそれを言われたか!と羞恥心で消えてしまいたいような気分になる。未だに意識と身体は切り離されたままで、ミニサイズのMが私の部屋から出て、巨体をゆさゆさと揺すりながら、ひらひらと赤い衣装の裾を揺らし、ぎしぎしと音を立てて階段を下りていくのを、視線で追うことしかできない。

──小さいマツコさん、ちょっと可愛かった。