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悲しみが愛おしい

ダイオプテーズのジュエリーをたまたまネットで目にした。ダイオプテーズは原石しか持っていないし、ジュエリーに加工されたものは見たこともなかったので目を奪われた。

深い青みがかったグリーンに魂が吸い込まれていくように感じられる。悲しいときに、陽気な歌や頑張れ頑張れと励ますような歌が全く入ってこないのと似て、明るい陽のパワーは受け付けられない。悲しみそのものを固めたようなこの石は心にじんと沁みる。消毒薬みたいだといつも思う。ハートの奥の奥のほうがズキズキと痛む。それは傷が癒やされるときのどこか心地よい痛み。泣きたいときには泣くのが一番の癒やしであるように、感情を正直に開放してくれる。

明るいエメラルドか、フローライトのような、透明感のある淡い緑色にもとても惹かれる。でも、ダイオプテーズの深い青緑色は、その光の空間にマッチしない。闇の成分も多く含んでいるから。早くこの悲しみを卒業したい、透明な淡い緑の世界に到達したいと願っていた。

それはダイオプテーズのない世界に生きたいということ。そう思うと、その青緑の悲しみがないということが、妙に寂しく感じられてくる。喪失感。悲しみなんて無いほうがいい、そんなふうに私の心は感じていないみたいだ。だってこんなに美しいのに。

悲しみを愛していたら、それを引き寄せてしまい悲しいことの多い人生になるんだろうか? それとも悲しみまでも愛せることが、究極の愛を知ることなのだろうか? こんなに愛おしく感じるのに、どうしたらいい?
さっき見たらこのペンダントはまだ売れていなかった。欲しいけど、欲しくない。