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言葉をマスター

父の小言から逃れて自室に閉じこもり、ベッドの上に転がって、慰めを求めてラジオをつける。どこの局かも確かめないで耳を預ける。なんの番組だかわからないが、イ・ビョンホンが出ていて、しかもほとんど完璧な日本語を操っているのでびっくりする。アクセントは訛りがあったけれど、言葉の選び方使い方はどこにも誤りがなく、いつの間にこんなに上手になったんだろうと呆気にとられる。

皆さんには、日本語が上手くなっちゃったね〜と良く言われるんですが…とはにかむ。(拙い時のほうが愛らしくてその方が良かったとファンに言われる、という意味)この頃はタクシーの運転手みたいと言われまして…と破顔一笑。(夢の中では外国から来て言葉が達者になった移民の方々がたくさんタクシーの運転手をしているらしい)運転手ではまだまだなんで、DJ〇〇さんみたいだと言われるように頑張りたいです!(そのイベントに一緒に登壇していた日本人DJを持ち上げて忖度した模様?)
ラジオなんだけど顔が意識のスクリーンに見えていて、いかにも作り笑顔っぽい瑕疵のない微笑みに、この笑顔、イ・ビョンホンじゃなかったら嘘くさくて大嫌いだと思っていただろうな、とぼんやり考えている。


外国語学習のセンスがからっきし無い。だからか、あっさりと外国語をマスターしてしまう才能に心の片隅で嫉妬を禁じえない。長いこと韓国のドラマを見ているけれど、ごく簡単な日常会話しか聞き取れない。自分で考えているよりそれをずっと悔しく感じているみたいだ。

私がしたいのは、ひとつひとつの嫉妬や劣等感に対処して、その分野の能力を伸ばしてクリアしていくことじゃなく、嫉妬のメカニズムそのものを根っこからまるごと引き抜くことだ。