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Dépôt de Météorites

2023-01-01から1年間の記事一覧

自尊心がないの?

愛することは無条件に受け止めることで無条件に理解してやること自分に対してもそう 本当は間違っているけど仕方ないから納得してやろう本当はそれじゃ駄目だけど許してやるかそれは愛ではないいかにも懐が深いように見えていてもそれは愛じゃないそんなふう…

正反対の処方

迷ったらやらないんだよ迷うくらいならそれはやらなくていいことやらなければいけないと考えがちな私はそう何でもやらなければ始められないんだと怖かったらなおさら自分を律して頑張らなければと考えがちだからそういうバイアスがかかっている楽な方に流れ…

トレードオフ

父は克己という言葉が大好きで、自分に厳しく、一度決めたことは曲げずに続けることを良しとしていた。良しとする程度ではなく、それに執着し依存していた。自分を律し、怠けようとする心と戦って勝ち、何が何でも始めたことは投げ出さない──そこだけを切り…

悪筆

パリの北駅の近く、友達と二人疲れ果てて小さなレストランに入った。夜遅かったし適当に食事を済ませたかったので、どこでもいいから目についた店に入ることにした。無愛想な店員さんが持ってきたメニューはすべて手書き文字で、いかにもフランス人らしくも…

甲子園

優勝したチームは夢を抱き続けば必ず叶うということを体現できたと言う負けたチームだって優勝したいと強く願っていただろうそれでも夢破れた 夢は必ず叶う必ずしも叶わないどっちでも同じなんだ叶う夢だから夢見るように計画されているあるいは叶わない体験…

無条件降伏

人生の冬を終わりにしたいともがけばもがくほど春は遠くなる未来に想いを馳せれば希望より不安に埋め尽くされるならば未来なんて考えなければいい今この瞬間しか本来存在していない明日は永遠に来ない明日になってみればそれは今日なのだから今日だけがどこ…

逆回転

生まれた時がいちばん叡智を持っていて全てと繋がり全てを知っていたひとつひとつ分離を経験していき否定されることを学び育っていけばいくほど忘れていく見失っていく 社会の中で成長していくことはイコール本来の魂の力を失っていくことだ慣れていくことは…

トマトに砂糖をかける

我が家では、トマトに砂糖をかけて食べるのが定番だった。父と祖母が極端な甘党で、何にでも砂糖をかける傾向があった。いちごに砂糖と練乳はよくあることかもしれないけれど、グレープフルーツにもこんもりと砂糖を山のように乗せていたものだった。 そんな…

メッセージ

掃き出し窓の外は真っ白い光の世界で、眩しさに滲んで見える。窓辺に立っている父の背中が見える。父はなぜだか何も身に着けておらず、裸のままで真っ白い光と向かい合っていた。白いレースのカーテンが窓を縁取って、柔らかく揺れている。 それに対して室内…

アナログという贅沢

紙を切って封筒を作り、書類に手書きで書き込んで印鑑を押して、糊で封をして、切手を貼る。そんな作業が久しぶりで、なんだかとても楽しかった。そんな事務的作業は非効率で前時代的だと嫌われる。会社組織で莫大な事務仕事があるなら、まあそれもわからな…

不倫と契約

人が不倫していることなんて、なんの興味も関心もない。その人の人生でその人の勝手だと思う。世の中はなぜ他人の不倫に大騒ぎするのか分からない。結婚なんて紙切れ一枚で決定するただの社会制度。そこに必ず愛があるわけでも絆があるわけでもない。それが…

身分証明書

最近、携帯電話の契約などで、保険証が本人確認書類として使えなくなったということを知った。なぜ? これまでだって、保険証は顔写真がないから補助書類が必要で、2点以上揃えなければいけなかった。必要書類は色んな選択肢があった方が無いよりいいに決ま…

父との諍いが起こるたびに父がいなくなった後にとんでもなく後悔するのではないかと怖かったいなくなって初めてその存在の大切さがわかるとよく言うし孝行したい時に親はなしともよく言うし私は後悔して打ちのめされて目が覚めるのだろうと思っていた 実際に…

本当の格好悪さ

スタイルを維持したくて余計な脂肪がついたのが気になるダサい格好をしていないかが気になる若い頃の頭脳が衰えてきてないか気になる流行遅れになっていないか気になる気にすることが多いほど悩みが増えるけどこれって全て自己満足だから自分が自分に課した…

緑色のカップ麺

『太陽は動かない The Eclipse』 ネットフリックスにて視聴。近年見た中で一番気に入った日本の映像作品かも。WOWOW制作のドラマはクオリティ高い。 実質的な主役はフクモトと名を変えたサクライかもしれない。エージェントをやめて自分の人生を取り戻すには…

男らしさ女らしさ

男らしさ・女らしさという言葉を使うだけで、ジェンダー意識が古いと言われてしまうのは、どうなんだろう?男らしくない男性がいてもいいし、女らしくない女性がいてもいい。それは個人の領域で、どんな個性を持っていても否定されてはいけないと思うけど、…

わたしの保護者

自分のこころを自分の子どものように扱う小さい頃にそうしてほしかったように接する 叱るのではなく褒めてあげるできて当然だと言うのではなくよくやったと労ってあげる隠れたいときは隠れさせてあげる嫌がることを無理強いしない寂しいときは抱きしめてあげ…

望む

望んだことは叶います叶わないことは想像することすらできないのだからそう言われるけれど 何を望むかということすら私の意思じゃないたくさんの希望の中でなぜそれを望んでしまうのかたくさんの可能性の中でなぜそれなのかなぜそれを望むように生きてきたの…

作り笑顔

お笑い番組を見てお腹が痛くなるほど笑ったあとしばらくしていつも訪れるどうしようもない虚無感お酒を飲んでハイになったあとどんよりと気分が沈み頭が痛くなるあの感じに似ている 嘘でもいいから笑いなさい楽しくなくても口角を上げていなさいそうしたら脳…

共犯関係

ドラマ『ザ・グローリー〜輝かしき復讐〜』 Netflixにて視聴。 描かれている共犯関係に圧倒的に惹かれる。底のない泥沼と、果てのない闇の中で一人生きる——生きることを放棄して生きるという覚悟。差し伸べられた手を掴むことなく、拒みながら、それでも一歩…

脳内シミュレーション

あらゆる展開をシミュレーションする癖どう転んでも大丈夫なように様々な事態を何度もイメージするそれが恐怖の根源だとも知らずに見る前に跳べ跳んでしまったらもう怖くない脳内シミュレーションしている時が一番怖いそれはわかっているのにやめられない や…

両性具有

蒼い闇に沈んだ古い診察室で、カンテラの灯りが滲んでいる。医師と私は対面して座っていた。すべてのものの影が濃く、そして均一な黒さで、医師たちや私といった実態を持つ肉体が投影するものではなく、むしろその黒々とした何かの投影が私たちであるような…

ささやかな復讐

私はとても嘘つきな子供だった。都合の良い嘘を吐くと、辻褄を合わせるために更なる嘘が必要になるけれど、絡まりあった幾つもの嘘を上手に捌いて破綻しないようにすることが大抵の場合できた。そのためにいつも気持ちは張り詰めていた。それでも自分にとっ…

痙攣

ベッドに眠る私は身体が意のままにならず、痙攣のように震えたり、ビクッとしたり、海老反りになったり、他人に操作されているかのように動いてしまう。それが何故か決して不快ではなく、むしろその動きに身を委ねることが徐々に心地よくなってくる。誰かが…

猫になりたい

長く駐車場だった隣の空き地に昨年新築のお家が建ち、新しい方が引っ越してきた。表札のところに猫の飛び出しに注意というステッカーがあったので、猫を飼っているんだなと思っていたら、以前一度だけ、うちの庭から見える北側の小窓に猫がちょこんと座って…

未来の記憶

幼い頃に、母の職場に連れられて行ったことがあった。母は中学の教師だったので、あれは休みの日の夕方だったと記憶しているのだけれど、ガランとした人の少ない校舎の中で中学生の女の子たちが数人寄ってきて、五歳くらいの私を見て可愛いー!と騒いでいた…

一番身近な麻薬

同性婚とか事実婚とかを擁護する人たちと嫌悪する人たちさあ議論しましょう難しく考えすぎてない?権利を認めて欲しい人と認めたくない人認めたくないと言っている側に問題があるだけなのでは? 認めるなと言っている人たちはすべて当事者ではないから当事者…

外出着

誰かに話したことが自分の意図したとおりに伝わらないそういう経験がとても多かった単に話し言葉が下手なのか相手に合わせて語り方を調節することが本当に苦手だからか 完全に相手の都合のいいように曲解されることもあるそれでいて「わかる〜!」と同意され…

名前という仮面

私の名前の漢字には、父の名前と同じ字が一字入っていて、安易に父と同じ漢字を使ったことがずっと気に食わなかった。名前の音としての響きは気に入っている。けれど文字の視覚的な印象がどうしても嫌で、通称として他の字を使おうかと考えたりしたこともあ…

父のなかの少年

父は多分、強迫性障害を患っていたのではないかという気がする。もちろん本人に病識はなかったし、それに苦しんでいる様子でもなかったけれど、行動はまさに強迫的だった。 戸締まりをしたら何度も確認を繰り返すのが常で、指差し確認を大げさにするのが日課…