SITE MÉTÉORIQUE

Dépôt de Météorites

背徳の香り

こんな映画を観た。フランス人ハーフの青年が、海辺の街を訪れるところから物語は始まる。彼の父はフランス人、母は日本人で、母は若くして彼の地で亡くなった。青年は二十歳くらい、幼少期を除けば初めての訪日だった。日本には、母の姉に当たる伯母と祖父…

虎を退治する

数冊の本を読んだ。偶然にも、どれも虎の退治に関する内容だった。そのうちの一冊は、こんなストーリーだった。 主人公の “私” は、いつものソファに座ろうとして違和感を感じる。カバーをめくると、内部からムカデにも似た虫が次々と湧いて出て来る。戦慄を…

新・閏年

政府から、新しい閏(うるう)年の制度の導入が発表された。官房長官が喋っているのをニュースで見た。いつもと同じ様なトーンで、ごく当然のことのようにさらっと、それは発表された。来年から始まるというその制度は、通常なら2月29日だけをプラスするのに…

合言葉

独特のユーモアのセンスがあるので有名な、議員のK氏が、体育館に講演をしに来る。女子たちは誰が来るかを知らず、有名な外国の歌手が来るらしいと噂を立てていて、それが誰なのかで会話に花を咲かせていた。体育館に椅子を持ち込み、並べながら、話に乗っ…

外部ファースト

部屋に、首から上だけのマネキンが四体ほど置かれていた。カーテンレールの上の棚にマネキンの首が並び、それぞれにカツラをかぶっている。モーツァルト風だったり、ベートーベン風だったり、様々なカツラ。私はなぜ自分の部屋にそんな物があるのか、首を傾…

壁を作ってるよね

演劇の学生サークルのような団体に入ろうとしている。沢山の団員と沢山の志望者がいて、ごった返していた。私は演劇を観念的に捉えて、内容を深く掘り下げて話し合えるような友人が欲しかったのだと思う。そのためにそこに参加してみようと思った。 志望者が…

ゆきちゃん

ゆきちゃんはとても賢くて、好奇心旺盛な女の子だ。ゆきちゃんは小学校四年生くらいに見えたけれど、もしかするともっと小さいのかもしれない。様々なことを疑問に思ったらすぐに自分で実験してみないと気が済まないのだそうだ。昨日もキャベツから発酵種を…

嫉妬と銀色の鱗

昔、数回だけ話したことのある知人Hが、動画を配信するチャンネルを始めたと聞いて、見てみようと思い立った。動画は途中から再生され、いきなりHの後ろ姿が映っていた。後ろ向きで何かを説明している。タイトなジーンズと、白いクロップド丈のセーターと…

クレジットカードを紛失する

久しぶりに都内へ買い物に出ていた。友人二人と一緒だった。かねてから存在は知っていたが行ったことのなかった天然石の店へ、行ってみたいと急に思い立った。その店は名前も経営者も変わっていなかったが、天然石の店でなく、天然酵母のパン屋さんに変わっ…

タロットカードが思い出せない

タロット占いをしてもらっている。四枚のカードを正方形の角の位置に並べる、簡単なスプレッドだった。二枚目がハートの10のリバースだったのを覚えているが、後で考えてみるとハートの10はタロットカードでなく、トランプだ。 タロット占い師は、若くてイケ…

ハーモニカを教える箱入り娘

単発のアルバイトのために、M小学校の近くの、ある医院に併設された老人ホームに向かっている。家の近くだし道はよく知っているはずなのに、なぜだかなかなかたどり着かずに苦労した。角を曲がって看板を見つけると、約束の時間ギリギリだった。老人ホーム…

水路を流れる魂とマシンとの類似性

家の近くに水路のようなものがあった。背の高い草が生い茂る中をかき分けるように、さらさらと流れている。そこへ、一本ずつ、刈られた草が流れてくる。青々としたものから、藁のように茶色くなったものまで、一本ずつ、ゆっくりと流れてくる。それらには、…

サイボーグ

ある朝、母の顔を見ると大きくむくんでいて、目の下の皮膚もかなり青黒くなっていた。私はなにかの病気ではないかと心配になった。母に話しかけるが、受け答えがどうにもとんちんかんだった。尋ねたことと微妙にずれた答えが返ってくる。 おかしいなと思いつ…

青いインクと鉄瓶の中の生態系

真っ白な便箋に手紙をしたためていた。それは投函することのできない手紙だった。相手に見せてはならない、秘めた恋の手紙。ただ自分のためだけに、心のうちをさらけ出す。自分に決着を付けるための手紙だった。万年筆を手に取り、ブルーブラックのインクで…

死刑判決

駅を降りて、千人ほどを収容する小さなホールへ向かう。駅前は既にネオンサインが点灯し始め、家電量販店から大音量で流れる宣伝音楽がうるさかった。最後の審判を受けるような心持ちで足を進める。ホールは駅前の喧騒と裏腹に、閑静な環境にあった。薄闇に…

セラミックの死体

『セラミックの死体』という名の、女性お笑いコンビがいた。非常にダークなネタ、廃墟のような空気感。社会風刺も絡ませ、最高にシュールな切り口でアバンギャルド。彼女らはいつも、衣装のどこかに紫色を取り入れる。それも、ラベンダーなど優しい紫ではな…

三白眼の男性

私は音楽室にいた。午後の日差しが斜めに差し込み、細かな埃が踊る様子が光の中に浮かび上がる。どこかノスタルジックな光景。ピアノの鍵盤を叩く。長い間調律されていないピアノは、若干音程がずれていた。その音色が余計に郷愁を掻き立てるように感じられ…

蕎麦屋と8桁の数字

カレンダーを見ると、今日は18日だった。それに気づいて愕然とした。今月末には帰国する予定だったはず。それまでに航空券の手配をし、荷物をまとめて部屋を開け、することがたくさんあるのにまだ何もできていない。友人Kと話し合って、数週間各国を旅して…

スキー場で消えたバスルーム

スキー場らしき雪山に来ている。麓のペンションに戻るともう日暮れだった。夕陽が山際を蕩かして、紫色に滲んでいく。影が伸びて、やがて輪郭を失っていく。ペンションには団体客がいて混み合っていた。私もその一員のようだ。ここで着替えたり食事をしたり…

出版記念サイン会

百貨店に買い物に来ている。エスカレータを上っていると、横にポスターが張ってある。アイルトン・セナ出版記念サイン会。赤いレーシングスーツを着た写真とともに、サイン会の詳細が書かれていた。心が俄にさざめき立った。こんなところに本物のセナが来る…

ファクトチェック

「ここの浴場は怪しいらしい。浴場としてもエステとしても営業許可を受けてないらしい」と報道局の先輩が言った。「じゃ何で許可を得たんでしょう?」と私が尋ねると、「倉庫」と先輩は言った。「ファクトチェックは大事だな。ニュースはファクトだ」先輩は…

戦闘機に狙われる

寒空の下を家へと急ぐ。ねずみ色の曇天を、落葉樹の細枝が必死に支えているようだ。いつもの道を歩いているのに見慣れない広場に出た。広場というより、取り残されて何の使い道もない徒広い空間に、誰からも相手にされない雑草たちが行き場をなくして集って…

ゴム紐のように伸縮する世界

リビングに居ると、突然地震が起きた。下から突き上げるタイプの揺れで、発射されたロケットのような勢いでソファが宙に浮いた。2メートルほど垂直に浮き上がり、ドスンと落ちた。落ちた位置は今までの位置と僅かな誤差しかなく、ほぼ元通りのようになった。…

軽薄な男の慈愛に満ちた微笑み

軽薄そうな男性に出会った。私の部屋に上がり込んで、ベッドのそばで膝を抱えるように座り込んでいる。軽薄な仮面、その他諸々の仮面を、器用に付け替えてその場に適した顔をつくる。その隙間の一瞬に、素顔を敢えて覗かせることも怠らない。正確には素顔ら…

学校に行かなくても良いパラレルワールド

始業式が終わって、今日から授業が始まる。朝なんとか起きたものの気が重くて、朝食にちらし寿司のようなものがテーブルにあったのだけれど、グズグズしていて食べる時間がない。テレビがついていて、母はそれに夢中だった。 7時を回って、もう支度をしなけ…

砂嵐

両親と祖母と一緒に、車に乗ってどこかに出かけようとしている。外はひどい天気で、激しい風が狂ったように吹き付ける。辺り一帯の砂という砂が舞い上がり、うねりながら窓ガラスに襲いかかるのを、私は室内から見ていた。その様はさながら、赤い舌を出して…

悪人になる練習

どことなく松田優作風のちょっと悪い感じの男性。常識的な善悪の概念など意に介さないような。そんな人に率直に心をぶつけることができて、流れるように自然に受け止めてもらえたことが嬉しかった。私は赤い服を着ていた。わがままな態度で高飛車な物言いを…

藍色に沈む街を逃げ出す 

外国、多分ロンドンにいて、私は列車に乗っている。地下鉄のようだけれど周りを見ると様々な小売店が線路沿いに並んでいて、その明かりが眩しい。西の方からひたすらに真っ直ぐに続く、全くカーブのない線路の上を、列車は都市の中心部に向けて滑り続けてい…

モナリザと2つの時計

エナジーヒーリングのようなものを受けに行く。セラピストは髪のとても長い50代くらいの女性で、モナリザのように微笑み、スリムな体つきをしている。ベッドに横になるように指示される。そのベッドは自宅でいつも寝ているものと同じで、枕や布団まで全く同…

前世の記憶のような

かつて見た印象的な夢。まるで前世の記憶のよう。 古代のエジプトのような砂漠のまちに居る。白い麻のような繊維で編まれた履物を履いた自分の足を見下ろしている。 私は白いローブのような服を着た男性で、愛する女性の遺体のそばで泣いている。薄暗い部屋…